ディズニー データベース 別館

「ディズニー データベース」(https://w.atwiki.jp/wrtb/)の別館です。日本の誰か一人にでも響けばOKな記事を書いていきます。

幻のねずみ

【連載】幻のねずみ #22『ラテン・アメリカへの旅』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 スタジオがストライキに揺れる中、国務省の映画部で働くジョン・ホイットニー部長から連絡があり、ぜひウォルトとディズニーのスタッフが南米を訪れ、アメリカのアニメーション映画の素晴らしさを広めて…

【連載】幻のねずみ #21『はなれても いっしょ』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 1941年、『ダンボ』を作っている間のスタジオは赤字のほかにも重大な問題を抱えていた。『白雪姫』の大成功でバーバンクに建設したスタジオはたいそう立派なものではあったが、アニメーションを制作する…

【連載】幻のねずみ #20『空飛ぶ象の育て方』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 しばらくするとIFAから電報が届き、フクロウさんを他の動物のところへと受け渡すことになった。私はフクロウさんにかけられた言葉が気になっていたが、あれ以来大きな動きはなかったので、とりあえず彼に…

【連載】幻のねずみ #19『芸術家たちの挑戦』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 ウォルトは『ピノキオ』でも主人公を支える脇役の重要性は常に意識していた。彼は原作に登場するチョイ役のコオロギをピノキオの良心役にして、映画全体でピノキオのサポートをさせようとした。ウォルト…

【連載】幻のねずみ #18『嘘をつくレッスン』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 『白雪姫』の成功にあぐらをかくこと無く、ウォルトは新しい長編映画の計画を始動させていた。いくつかの候補のうち、ストーリーが固めやすかった『ピノキオ』が第2作として選ばれることになった。『白雪…

【連載】幻のねずみ #17『望みを叶える映画』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 1937年の初めの時点で、クリスマスまでに映画を完成させるというスケジュールは大幅に遅れていた。それでもスタッフたちは良い作品を作るために時間と金と手間を惜しまず働いた。ウォルトは私財を投じる…

【連載】幻のねずみ #16『道楽かこだわりか』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 1935年、ウォルトとロイはそれぞれ結婚十周年を迎えた。ロイは今まで付いてきてくれた妻たちに恩返しをしようと世界旅行へと誘った。彼らはイギリス、フランス、スイス、イタリア、オランダを巡った。途…

【連載】幻のねずみ #15『僕たちの最初の長編映画』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 1934年のある晩のことだった。「おい、ウォード。ウォルトが重要な会議を行うから、早めに夕飯を済ませて防音スタジオに集まってくれとのことだ」 「そうなのか?そんな話は聞いてないけどなぁ…。でも、…

【連載】幻のねずみ #14『一番やさしいのは誰?』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 1933年、ディズニーはシリー・シンフォニー・シリーズにおいて『三匹の子ぶた』をアニメ化し、『狼なんか怖くない』というキャッチーな楽曲を世に生み出した。私は街中の公園や映画館のそばで『狼なんか…

【連載】幻のねずみ #13『素晴らしきカラーの世界』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 ディズニーはアニメ映画を制作するにあたり、新たな技術の開拓はもちろんのこと、アニメーターたちの教育にも努力を惜しまなかった。ウォルト「やぁ、マウス。今日はこの部屋にお客様が来るから、食べカ…

【連載】幻のねずみ #12『わんちゃん物語』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 野生のネズミの寿命は二年と聞く。しかし、私がウォルトと出会ってから既に二年経っていたが、身体は衰えを知らず、日に日に活発になっていくようであった。イマジナリー・フレンドは人間のように長生き…

【連載】幻のねずみ #11『空想動物記VI コバルトの帰還』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 私がIFAの事務局に戻ると、マット・ツーが呆れた顔で待っていた。マット・ツー「マウスさん。まったく、どこへ行ってたんですか?」 マウス「すみません。どうしても確認したいことがありまして。」 マッ…

【連載】幻のねずみ #10『空想動物記V ねずみの逆襲』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 「マウスさん、ちょっとここでお待ちください」マット・ツーはそう言うと、奥の階段を下っていった。私が働く動物たちをキョロキョロ見回していると、猫がこちらを見て「そんなに物珍しい?」と訊いてき…

【連載】幻のねずみ #09『空想動物記IV 新たなる仲間』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 1932年。パワーズからの離脱に協力してくれたコロンビアだが、ウォルトとロイは彼らとの契約に次第に不満を持ち始めた。そんなある日、私のもとにパップより小さな小型の雑種犬がやってきた。「夜分遅く…

【連載】幻のねずみ #08『ねずみと猟犬』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 話を終えると、ウォルトは部屋へと戻り、私も何も言うことはできなかった。私はカエルのトニーのもとを訪れた。トニー「おや、マウスさんでヤンスか。こんなジメジメしたところまでご足労いただいてどう…

【連載】幻のねずみ #07『ウォルト・ビフォア・ミッキー(後編)』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 ハリウッドに到着したウォルトは一度はアニメーションを諦め、映画監督を志望していた。チャップリンの撮影スタジオの近くを散歩したり、上手いことを言ってMGMの『ベン・ハー』のセットに入り込んだり、…

【連載】幻のねずみ #06『ウォルト・ビフォア・ミッキー(前編)』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 1918年。年齢を偽って第一次世界大戦の赤十字の救急部隊に参加していた愛国心の強いウォルトは、一年間の任務を終え、フランスから帰国の途につくべく船に乗り込んでいた。同じ境遇の若者たちは、帰国後…

【連載】幻のねずみ #05『雨の中の訪問者』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 ミッキーのスクリーンデビューは華々しいものであった。ウォルトは連日、私にミッキーの話をした。「ミッキーを主人公にしたトーキー映画をもっと作ろう。いや、前に街の映画館用に作った『プレーン・ク…

【連載】幻のねずみ #04『蒸気船とカエルと人間と』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 ウォルトは昨年、大西洋単独無着陸飛行を成功させたリンドバーグの偉業に関心を持っていた。そこからインスピレーションを膨らませ、ミッキーの役柄はリンドバーグ気取りの飛行機乗りということになった…

【連載】幻のねずみ #03『名もなきマウス』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 彼、ウォルト・ディズニーという名前の男はアニメーションを生業としている青年だった。彼はハリウッドから帰るところで、自分の主力としていたウサギの代わりとなる新たなキャラクターを至急考え出さな…

【連載】幻のねずみ #02『風向きが大きく変わるとき』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 私には仔ネズミの頃の記憶はない。はっきりとした最古の記憶は1928年のある列車の中で暗闇を這いずり回っていた時のことである。列車に飛び乗った瞬間の記憶はなく、ただ夢から覚めると列車の中を歩き回…

【連載】幻のねずみ #01『10年目の夢と目覚め』

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。 1965年7月17日。地球上で最も幸せなテーマパークは開園10周年を迎えた。人々は一人の男の夢が作り出した世界の中に入り込み、その精巧さを全身で感じることができる。アトラクションはテーマランドや物語…

【連載まとめ】幻のねずみ

※この物語は事実をモチーフにしたフィクションです。disneydb23.hatenablog.comdisneydb23.hatenablog.comdisneydb23.hatenablog.comdisneydb23.hatenablog.comdisneydb23.hatenablog.comdisneydb23.hatenablog.comdisneydb23.hatenablog.comdisneydb23.hate…