ディズニー データベース 別館

「ディズニー データベース」(https://w.atwiki.jp/wrtb/)の別館です。日本の誰か一人にでも響けばOKな記事を書いていきます。

『ディズニー ソーサラー・アリーナ』超初級入門

こんにちは。新年度の幕開けですね。

みなさんはスマホアプリ、やっていますでしょうか?今日ご紹介するのは皆さんお待ちかね、ようやくリリースされましたツイス…ではなく『ディズニー ソーサラー・アリーナ』です!

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え、ご存じない……?

告知から一年以上かけてようやく日の目を見たアプリケーションではありますが、日本での期待値(というか知名度?)があまりにも低く、世間でもさほど話題に挙がらないという不遇な扱いを受けています。そもそもこのアプリについて1ミリしか知らないという方も多そうなので、初歩の初歩からざっくりといいかげんにご紹介します(書いてる本人もよくわかってない)。

それでは、本日も1億3000万人の誰か一人にでも響くことを祈っております!

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ディズニーキャラが殴り合うゲーム

『ディズニー ソーサラー・アリーナ』は古今東西のディズニーキャラが殴り合うという珍しい種類のゲームです。プレイヤーは召喚士となり、カードから召喚したキャラクターが5対5で戦います。

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悲しむのはたかっている蚤だけだ!(画面左端)

最大の売りはメンバーが様々なディズニー作品から参戦しているということ。出典作品に関わらず夢のコラボレーションを実現することができます。

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アリエルの武器は人様のモノ

アリエルがおとっつぁんの槍を使ってビッグ・バッド・ウルフ(『三匹の子ぶた』の狼)の顔面に電撃を放ち、それをトリガー(『ロビン・フッド』の敵の手下)が執拗に狙う………なんて共演も本作ならでは。ちなみにトリガーは出来る子です。

また、バトルキャラクターとは別にスペル(呪文)という召喚キャラクターも用意されており、あまり好戦的でなさそうなキャラクターもスペルとしてバトルをサポートします。こちらにはダンボやスノーギース、リトル・グリーン・メンなどの可愛らしいキャラクターはもちろん、ハチミツのツボやフィックス・イット・フェリックスのハンマーなどのオブジェクト、さらには『スプラッシュ・マウンテン』のボートや『ビッグサンダー・マウンテン』のダイナマイトといったアトラクションなど、様々な世界観から参戦しています。

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Yes, I Canada!

遊び方や育成システムは『Disney Heroes: Battle Mode』とほぼ同じですが、大きな違いが2つあります。一つはキャラクターが立体モデルであること。そしてもう一つは雑魚敵がオリジナルキャラクターではなく、ディズニー映画のモブキャラクターから選ばれていることです。『ピーター・パン』の海賊や『ムーラン』のフン族、さらには『骸骨の踊り』の骸骨や『ミッキーのお化け退治』のお化けなど、様々な顔ぶれが楽しめるのが最大の特徴と言えるでしょう。キャラクターについての一覧は下記のリンクもご参照ください。

ディズニー ソーサラー・アリーナ - ディズニー データベース【3/30更新】 - アットウィキ

ゲームシステム

ゲームの目的

このゲームには明確なシナリオがなく、キャラクターを集めて強化することでステージをクリアしていくことが目的となります。『Disney Heroes: Battle Mode』とシステムは似ていますが、あちらにあったキャラクター同士の会話などがこちらにはないので好みが分かれるところであるかもしれません。こちらはキャラ同士の絡みというより、キャラクターの造形やラインナップを楽しむのに向いているかと思います。

キャンペーン

ゲームを進める上で、キャンペーンをクリアしていくことが必要になります。聞き馴染みのない方も多いかと思いますが、キャンペーンというのは『ストーリーモードのステージ』のことで、洋ゲーによく使われる言葉であります。

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キャンペーンとはストーリーモードのこと

ゲーム画面の上にマリオカートのサンダーみたいなマークが2色並んでいると思いますが、これがキャンペーンをプレイするためのエネルギー(要はスタミナ)となっています。紫はグランドキャンペーン、黄色はヒーローキャンペーンとヴィランキャンペーンに使うことができます。

グランドキャンペーンは誰でも参加することができるステージで、ヒーローとヴィランのキャンペーンはそれぞれヒーローかヴィランしか使用することができないステージとなっていますので、まずはヒーローとヴィランを5体ずつ仲間にするところから始めましょう。

キャンペーン エネルギー 使用可能キャラ ドロップ
グランド 全員 キャラトーク
ヒーロー ヒーロー 素材
ヴィラン 黄色 ヴィラン 素材

基本的にはグランドキャンペーンを進めていき、慣れてきたらヒーローとヴィランに挑戦するといいでしょう。ヒーローとヴィランには、1日の挑戦回数が限られているエリートというちょっと難しいステージもあります。また、それぞれ手に入るアイテムも違うので必要に応じてトライしましょう。

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エリートは難しい分、報酬も美味しい

また、本作ではバトルを早送りしたりスキップする機能が序盤から使えるので、スタミナ消費もサクッと進めることができます。周回必須のゲームとしては大きな評価点と言えるでしょう。

キャラクターの強化

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素材を使ってキャラクターを強化

このゲームはキャラクターのトークンを集めて新しいキャラクターを解放し、素材トークンを集めてキャラクターを強化(ティアアップ)していきます。ティアが上がると新しいアビリティが使えるようになります。基礎ステータスはEXPを使ってキャラクターのレベルをあげることで上昇させることができますが、キャラクターのレベル上限=プレイヤーレベルとなっているため、プレイヤーレベルを上げることが必須となります。

◆プレイヤーXPを集めてプレイヤーレベルを上げる
◆キャラクターレベルを上げる
◆素材が集まったらキャラクターのティアを上げる

端的に言うと、これをグルグル繰り返すことがキャラクターの強化につながるというわけです。キャラを強化したらキャンペーンを進め、勝てなくなったらまた強化に戻ってきましょう。

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レベルが上がるとまたスタミナが回復します

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キャラによっては衣装チェンジもあるとか…?

デイリークエス

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プレイヤーレベルを上げるために欠かせないのがデイリークエストです。デイリークエストは毎日挑戦できるミッションで、簡単にクリアできる上に序盤はプレイヤーXPもコンスタントに貰えるので、サクサクプレイヤーレベルが上がります。最初の数日はこれをこなすために起動すればプレイヤーレベルが上がります。プレイヤーレベルが上がり、新たな施設が解放されるにつれ、挑戦できるクエストも増えていくので、より美味しくなります。

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ログインボーナスもあるよ!

トークン集めが最大の壁

このゲームの最大の脱落ポイントと思われるものがありまして、それはキャラクタートークンを集めるのが『Disney Heroes: Battle Mode』と比べて遥かにシビアであるということです。『Disney Heroes: Battle Mode』では、キャラトークンが複数入った宝箱を無料で開けられるチャンスが何度もありましたが、『ディズニー ソーサラー・アリーナ』ではその機会があまりなく、1日に数回しかチャレンジできないステージでドロップを願ってトークンを集めたり、地道に集めたプライズで購入する(後述)しかありません。どちらかというと、こちらのほうが課金を前提としているような印象が強いですね。

その他の施設

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メイン・メニュー画面

プレイヤーレベルが上がると、クラブ(いわゆるギルド)やソーサラー・トーナメント(PvP)、召喚者チャレンジ、エンデュランスタワーといった新たな施設も解放されていきます。これらのモードに挑戦すると、プライズや素材がもらえます。プライズはストアでアイテムや宝箱と交換することができます。

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施設ごとにプライズが分かれているのは『Disney Heroes』と同じ

たとえば、PvPでは現状ほとんどの相手が初期キャラクターのデッキなので、回復スキルを持っているアリエルをバズで気絶させてから倒すのがおすすめです。

施設によっては有利・不利なキャラクターがいるのかもしれませんが、現在ほとんどキャラクターを持ち合わせていないので、その辺はわかりません。施設ごとにキャラクターを育て分けるのが好きな方には面白いかもしれませんね。

ローカライズ

このゲームは全世界同時配信ということもあり、地域ごとにサーバが分かれておらず、チャット機能では様々な言語が入り乱れています。ゲーム自体は日本語に対応しており、概ね不自然な翻訳もなく、作品名もきちんと表示されています。洋ゲーにありがちなカタカナ語のそのまま使用(アンロック、ティアアップなど)もありますが、このゲームに限ったことではないので問題ないでしょう。

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ローカライズとは関係ないのですが、マインド・ワーカーの出典作品が『シュガー・ラッシュ』となっています(正しくは『インサイド・ヘッド』)が、これは英語版でも同様のミスがあることを確認しました。

おわりに

『ディズニー ソーサラー・アリーナ』の雰囲気、なんとなく伝わりましたでしょうか?現状、ゲームのシステムなどについての紹介情報があまり見つからなかったのでざっくりとご紹介しました。

本作も攻略ブログやYouTubeの実況動画などで取り上げられていますが、いかんせん作品自体が盛り上がっておらず、彼らのうちどれだけのメディアが失踪せずに続けられるのかに注目です。上述のとおり、本腰を入れて無課金で遊ぶには毎日地道にトークンを稼ぐ必要があり、日本での人気を巻き返すのは難しいかも知れません。

ただ、キャラクターの幅広さに関しては楽しめます。「こんなヤツまでいるの?」といったリアクションは上海ディズニーランドに初めて行った時を思い出す方もいるとかいないとか…?ちょっと気になったという方は、まずは上記の方法でレベル15ぐらいまで上げてみて、そこから自分に向いているかどうかを判断して続けるかどうかを決めるのも良いかと思います。ゲームとして面白いかはともかく、ディズニー好きにとってゲームの雰囲気は楽しめるのではないでしょうか。全体的にゲーム内容について冷めたコメントをしているように見えるかも知れませんが、このゲームのさらなる発展にはもちろん大いに期待していますよ!

『モアナと伝説の海』ポリネシア文化が与えた影響

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モアナと伝説の海

2016年に公開された『モアナと伝説の海』は、ポリネシアの文化を5年間にもわたってリサーチして練り上げられた作品です。

実在の文化を現地でリサーチする方法は古くは1940年代から行われていました。ウォルト・ディズニーアメリカ政府の依頼で16名のアニメーターによる南米視察を行い、旅先のスケッチをもとに短編映画を作り、『ラテン・アメリカの旅』や『三人の騎士』として公開しました。1948年にはミロット夫妻とアラスカで撮影した『あざらしの島』のようなドキュメンタリー映画も制作しています。

これらのように視察旅行やドキュメンタリーが主目的で旅行することはありましたが、長編アニメーション映画一本を作ることを目的として視察を行った例は、1990年代のディズニー・ルネッサンスと呼ばれる時期に本格化します(『ライオン・キング』『ノートルダムの鐘』『ムーラン』『ターザン』など)。その後のディズニーやピクサーの作品で特定の国や地域をモデルにする場合には現地リサーチがしばしば行われることとなりました。

今回はポリネシア文化の現地調査が『モアナ』にどのような影響を与えたかを映画の登場順に沿って中盤までご紹介したいと思います。主に文化の影響に言及していますので、その他の情報をお求めの際は本館のほうにも遊びにいらしてくださいね。

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今ちょうど映画を観てるよのいう方は進みすぎてうっかりネタバレを踏まないようにご注意ください。それでは今回も1億3000万人の誰か一人にでも響くことを祈って!

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モアナの映画が生まれるまで

ディズニーの監督コンビのジョン・マスカーとロン・クレメンツ。二人は『オリビアちゃんの大冒険』(1986年)で監督デビューした後、『リトル・マーメイド』(1989年)でディズニーの黄金期を復活させ、『アラジン』(1992年)、『ヘラクレス』(1997年)、『トレジャー・プラネット』(2002年)を監督しました。一度ディズニーを退社した後、『プリンセスと魔法のキス』(2009年)で復帰します。そして2011年、第7作のテーマに選んだのはポリネシア神話の半身半人マウイの伝説でした。二人はジョン・ラセターの助言で実際に太平洋諸島の文化の現地調査へ向かうことにしました。

調査はフィジーサモアタヒチに始まり、文化の魅力を感じた二人は主人公を島民の女の子モアナに変更し、従来のプリンセス・ストーリーとは違った冒険と成長の物語にすることとしました。海の美しさを表現するために、彼らは初めてフルCGアニメーションとして制作することとなりました。

ポリネシア

ポリネシア諸島は南太平洋のうち、ミッドウェー諸島、ハワイ、イースター島の三角形の中に囲まれた島々の総称で、ポリ(多い)+ネソス(島)というギリシャ語に由来します。島は分かれていますが、海を行き来することで文化圏が形成されてきました。ポリネシアの圏外の地域は域外ポリネシアと呼ばれます。

世界のディズニーランドのアドベンチャーランドにはポリネシアをイメージしている部分もあり、ポリネシア風にアレンジした料理を出す東京ディズニーランドの『ポリネシアンテラス・レストラン』でその名前に聞き覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

ストーリーはもちろん、映画でポリネシアの文化を正しく表現するため、ディズニーは有識者を集めた『オセアニック・ストーリー・トラスト(OST)』を組織しました。本作のように特定の文化をテーマにした映画作品では、「文化を食い物にしている」といった批判が付き物で、本作も例外ではありませんでした。こうした評価は日頃から文化について研究している層が多く、実際にポリネシアに住んでいる現地の人々からは身近な生活習慣が反映されていると歓迎を持って迎え入れられました。特に現地の振付師が監修したモアナの踊りのシーンは好評だったようです。ハワイアン航空の機内エンターテイメントでは『ハワイ』コンテンツとして本作が含まれています。

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ハワイアン航空

モトゥヌイの島の暮らし

この映画の舞台は今から約2,000年前のモトゥヌイです。スタッフはポリネシアの人々に親近感を持ってもらうため、敢えて特定の島を思い起こさせるような表現は避け、架空の島の文化を練りました。そのため実在の島に似た名前だとややこしくなるということで、神話アドバイザーの提案で大きな島を意味するモトゥヌイと名付けられました。

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モトゥヌイ

モトゥヌイの島民たちが島の暮らしを歌う『いるべき場所』では、彼らの生活が説明されます。漁師が取った魚や収穫したココナッツを近所の島民に分け与えるという描写はリサーチや有識者の助言によって採り入れられた要素です。樹皮でタパと呼ばれる布を作り、衣服を作る場面もあります。この作品の舞台は2000年前であり、当時の写真はもちろんありません。島民の衣装のデザインは当時制作が可能だったかどうかを基準にして行われました。服飾文化には太平洋の島々の影響があり、若い女性の衣装はバヌアツの女性のものをモデルとしています。また、曲の終盤のモアナの赤い被り物はサモアの少女が儀式で身につける飾りだそうです。

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島民の服も一貫性がありつつ個性豊かです

島の人々は常に自然の恩恵を受けて生活しており、日頃から自然への敬意を持って生活しています。島の歌では航海を禁じる保守的な島民の性格を表しながらも、モアナが守りたい自然=スタッフが尊敬する太平洋の人々の文化への思いも丁寧に採り入れられています。

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マラエに着想を得たモトゥヌイの積み石

島の中央には積み石があり、歴代の村長が島に定住して仲間たちをまとめてきたこと、そして未来のモアナの使命とが象徴されています。ポリネシア社会では、積み石によって作られた土地をマラエと呼び、聖地として扱っています。モアナも海を諦めて父の跡を継ぐ際にはこのてっぺんに石を積むことになるはずなのですが、実際にはどうなるのか。是非モアナの決断の瞬間を見て、込められた意味に思いを馳せてみてください。

ポリネシア出身のキャスト

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ドウェイン・ジョンソンとアウリィ・クラヴァーリョ

本作でポリネシア文化を再現することに注力したスタッフですが、本物にこだわった結果、声優陣もポリネシア出身の俳優で固めることとなりました。本作でモアナ役に抜擢されたのは演技経験ゼロで高校のグリークラブで歌っていたというアウリィ・クラヴァーリョ。彼女は先祖代々ハワイの出身です。また、ザ・ロックというリングネームでプロレスラーとして一世を風靡し、『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』から俳優としての活動に幅を広げたドウェイン・ジョンソンサモア系と黒人のハーフという出自を持っています。

キャスティングにはタラおばあちゃん役のレイチェル・ハウスが参加し、彼女は後にマオリ語吹替版で監督も務めています。マオリ語版にはハウスも含めて英語版のキャストが4名続投しています。

また、モトゥヌイの島の人々の声は現地のニュージーランドで収録したり、コーラスには現地のコーラス・グループを採用するなどのこだわりも徹底させています。村人の一人にはアメリカンフットボールのトロイ・ポラマル選手がゲスト出演するといった遊び心もあります。実はアウリィの母親プアナニ・クラヴァーリョも島民の女性役でちょこっと出演しており、印象的な台詞を放っています。

プアとヘイヘイ

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プアとヘイヘイ

モアナにも歴代のディズニー主人公のように、動物の相棒がいます。ブタのプアとニワトリのヘイヘイです。当初は2頭でモアナを支える役どころだったようですが、モアナ自身の成長物語にするため、プアはお留守番となってしまいました。ヘイヘイもストーリー上不要ということでクビになりかけたのですが、モアナがテ・カァに挑む最後のクライマックスシーンでとある大活躍をするために無事映画に出演できることとなりました。

ブタとニワトリはポリネシアのある地域では幸運のお守りとされており、船が沈まないための縁起物として扱われているようです。

ちなみにヘイヘイの声は俳優のアラン・テュディック。『シュガー・ラッシュ』(2012年)から『ズートピア』(2016年)まで4作品連続でディズニー映画に出演しており、本作にも幸運のお守りとして出演させるため、非ポリネシア系として異例の出演を果たすこととなりました。彼は「ヘイヘイを食べたらどうか」と提案する島の老人の声も兼ねています。

How Far I'll Go

音楽についても触れておきましょう。本作の音楽は3人のアーティストによる合作です。一人はディズニー経験者のマーク・マンシーナ(『ライオン・キング』『ターザン』『ブラザー・ベア』など)。そしてポリネシア音楽の監修をしたサモアの大スター、オペタイア・フォアイ。もう一人は当時無名だったリン=マニュエル・ミランダです。

2014年3月、三人は視察のために様々なアーティストの音楽やダンス、食べ物を経験することのできるオークランドのパシフィカ・フェスティバルを見物に行きました。リンはある女性ダンサーのステージに飛び入りで参加することになり、彼女を真似て即興のダンスを披露しました。彼のショーは観客から喝采を浴び、飛び入りにも関わらずダンスコンテストで優勝してしまうのでした。後に『ハミルトン』で大ブレイクしたリンの多才ぶりがうかがえるエピソードです。

その後、三人は打ち解けてオペタイアとリンがストーリーや登場人物の感情、主旋律を語り、マークが曲付けをしていき、次々と曲が生まれました。主題歌となる『How Far I’ll Go』はヒロインの夢を語る曲としてリンが中心となって制作しました。

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潮吹き穴

モアナが駆け抜ける海辺で間欠泉のように水が吹き上がる潮吹き穴はサバイイ島で監督が実際に見たものがモデルとなっています。この潮吹き穴は後日談の『マウイの魚釣りチャレンジ』にも登場します。

もっと遠くへ

航海に一度失敗し、タラおばあちゃんの導きによって洞窟へ向かったモアナ。そこで彼女はかつて祖先たちが航海をしていた証拠を見つけ出します。

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かつて祖先も海を越えていた

モトゥヌイではかつて航海が行われていたものの、テ・フィティの心が盗まれたことで海の生命のバランスが崩れ、航海を禁じたという歴史があります。なぜ航海禁止という設定になったかというと、史実を参考にしているためです。実際の太平洋諸島にも紀元前1000年頃から約千年間、突然航海をしなくなった時期がありました。この原因は今も解明されておらず、監督たちはこの原因に目を付け、マウイに理由があるかもしれないと物語を創作しました。

モアナが見つけた船には二重らせんの記章があります。これはニュージーランドなどの島々では大事なシンボルとされています。本作の初期脚本はニュージーランド出身のタイカ・ワイティティ(『マイティ・ソー バトルロイヤル』『ジョジョ・ラビット』)が手掛けており、彼の選んだこのシンボルは最終稿でも残されています。

フラッシュバックで流れる祖先の航海のシーンは、歌を通して壮大な海の旅を表現するために作られました。映画のコア・イメージともなっており、挿入歌の中で一番最初に完成したのもこの曲です。視覚効果スタッフには航海の知識が豊富なメンバーもおり、船の動かし方にもリアリティが追求されています。

ホンギ

航海の是非を巡って父トゥイと言い争うモアナ。二人は島民に呼びかけられて家に戻ります。病床ではタラおばあちゃんがモアナと最期の会話を交わします。

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タラとモアナのホンギ

タラとモアナが互いの鼻やおでこをすり合わせているのは、ホンギという伝統的な挨拶です。ホンギは命の息吹を吹き込むという意味があり、互いに仲間であることを示しています。ニュージーランドマオリの文化で、映画の冒頭の島のシーンでも確認することができます。

映画の終盤、モアナが家族以外とホンギを交わすシーンがあります。その相手は誰なのか、またどのような意図のホンギなのか、見逃さないようにご注意ください。

ネックレス

モアナが身に着けているネックレスに使われている貝はアワビの貝殻です。アワビは一見ゴツゴツした岩のような見た目をしていますが、表面の層を削っていくと美しいブルーが現れます。モアナの赤いトップスにワンポイントとなる寒色としてデザインされています。テ・フィティの心を秘めてモアナの旅が始まります。

モアナという名前には『海』という意味があり、ハワイでは男女問わず付けられる名前となっています。青いネックレスには彼女の名前の影響もあるようです。

釣り針の星座

マウイの釣り針の星座は実在し、北半球ではさそり座の尾とされている部分です。映画では目立つように星が多めに追加されています。

映画内では星のほかにも稲妻や深い霧など、実際のリサーチでスタッフが目にした光景が表現されています。

マウイ

海に出たモアナは漂着した島でマウイと出会います。マウイはモトゥヌイの島の男性同様、タトゥーが刻まれています。タトゥーは一人前の男の証とされており、それを踏まえてマウイのタトゥーは伝説に応じて増えていくという設定になっています。マウイの身体には彼の良心がミニ・マウイという擬人化したタトゥーで表現されています。

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ミニ・マウイ

マウイのキャラクターは彼の声を演じた俳優ザ・ロックことドウェイン・ジョンソンの影響を大きく受けています。マウイも彼と同じくスキンヘッドの予定でしたが、有識者の提言でリアリティを追求したウェービーヘアが採用されました。このふわふわな毛のアニメーションを準主人公であるマウイの登場シーン全てで付けなくてはならなくなり、かなりの難関となりました。後半では作業簡略化のため、マウイが髪の毛をまとめてお団子ヘアにするのですが、嬉しいことにこれもまたリアリティがあって良いと評価されたようです。

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右眉を上げる仕草はドウェインそっくり

マウイのテーマソング『俺のおかげさ』は、リン=マニュエル・ミランダのアイディアでやはりドウェイン・ジョンソンを意識した楽曲です。曲の中盤にはリンお得意のラップがあり、エンド・クレジットで流れるセルフカバーのバージョンでは更に高度なラップとなっています。彼は後に『メリー・ポピンズ リターンズ』の『本は表紙じゃわからない』で更なる芸を披露することとなります。

このラップで歌われる歌詞もポリネシアに伝わるマウイの伝説が採用されています。マウイはポリネシアの神話に登場する英雄で、釣り針を持ち、姿を変える者とされています。彼の伝説は島によって差異がありますが、半神半人という前提は共通しているようです。

カカモラ

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実は冷酷な海賊カカモラ

カカモラはココナッツの鎧をかぶった見た目は可愛いのに冷酷というギャップを持った小型キャラクターです。

当初は、ハワイの伝説の小人・メネフネも候補に挙がっていたようですが、あまりにピンポイントでハワイすぎるということで、ソロモン諸島に伝わるカカモラという伝説の生き物に変更したようです。伝説上のカカモラは人間を襲って金品を強奪し、カカモラの王に献上するという野蛮な生き物だったようです。ただ、背丈が小さく長い髪が生えていたため、島の子供たちのいたずらの標的になってしまい、人間を襲うのをやめたと言われているようです。

ラロタイ

釣り針を取り戻すため、ラロタイの崖に登るマウイ。この玄武岩の崖はニュージーランドに実在する険しい島がモデルとなっています。ポリネシア諸島は土地柄、玄武岩が多いようです。

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玄武岩

頂上に登ったマウイがラロタイの入口を開くシーンに踊るハカ。ハカはマオリの伝統的な踊りとして有名でしたが、ラグビーW杯のニュージーランド代表のパフォーマンスでさらに知名度を広げました。マウイのハカは実際にニュージーランドの若者から教わったオリジナルのハカをモデルにしています。

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マウイのハカ

ラロタイに住むタマトア。タマトアとは太平洋の言葉で戦士という意味です。映画の初期構想では神話に出てくる首のない戦士だったそうですが、カニのモンスターとなりました。

パーテー・ドラム・ダンス

夜が明け、モアナとマウイが仲を深めながら航海に出る場面で、太古のリズムと女性のボーカルから始まる軽快な音楽が流れます。これはオペタイアがリーダーを務めるテ・ヴァカの既存の楽曲です。

この後の夜の場面でマウイが話す「海は島を離すのではなく、島をつないだ」という話しは実際にスタッフが島で聞いて印象に残った話で、本作の大事なテーマともなっています。

光るエイ

マウイと別れ、一人海に取り残されたモアナは「自分は選ばれるべきではない」と海にテ・フィティの心を返します。そんな彼女の前に一匹のエイが現れます。

そのエイの正体は亡くなったタラおばあちゃんの霊でした。島々では祖先が動物となって再び現れると信じられており、海の動物が多いようです。タラは生前優雅で美しい動きをするエイのタトゥーを入れていたため、エイとしてモアナの前に現れたのです。夜の海で青く光るエイの姿は魔法のように美しく、スタッフはネットで生物発光について研究したそうです。

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モアナを後押しする祖先の霊も生物発光をイメージした青色です

おわりに

タラおばあちゃんと再会し、自分の進むべき道を自問自答するモアナ。彼女の選んだ道とは…?そして、テ・フィティの心の行方は…?

ストーリーを形成するキャラクターや舞台、そして小道具まで様々なものにポリネシアの文化は息づいています。隠れキャラなどの楽しみ方はもちろん、ディテールに込められた意味や、スタッフから伝統への敬意に目を配るのもおすすめです。きっと、『モアナ』の世界への知見が広まるはずですよ!

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ディズニー日本語吹替史〜ピノキオの謎編〜

2020年も早いものでもう一ヶ月が過ぎてしまいました。みなさんは有意義に過ごせてますか?誘惑に負けてはいませんか?

さて、2月3日は『三人の騎士』の全米公開75周年でしたね。

今年は5年単位で見るアニバーサリーが色々とありまして、新館のほうで年明けに流しましたのでよろしければご覧ください。なお、日付が書かれてないので不便なんですけどね!


さて、本日2月7日は『ピノキオ』公開80周年です。今回は『ピノキオ』の日本語吹替および封印されたバージョンについて簡単にご紹介しますね。

1958年の劇場公開時に初公開版が制作されました。1983年の再公開時には再公開版が制作、1986年にバンダイからLDが発売された際には旧版として全編新録、1995年にディズニー公式のビデオ化の際には、再公開版のうち子役(ピノキオ、ランピー、アレキサンダー)の声を録り直したバージョンが作られました。現在、ディズニーが公式で認めている吹替は1995年のソフト版のみです。

旧版は当時発売されたビデオ、ソフト版は現行市販されているDVDやブルーレイを購入すれば視聴可能です。となると、1958年初公開版と1983年再公開版は封印された音源ということになるのですが…。

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2006年放送当時のNHK公式サイトより

実は、DlifeやNHK BSプレミアムでの放送時、公式サイトでは1983年再公開版(ピノキオ:初沢亜利)のキャストがクレジットされることがあるのです。これはディズニーファン…というより洋画の吹替マニアの間で話題になることもしばしば。直近だと、2016年2月24日にNHKBSプレミアムにて放送されました。

しかしながらこの放送回で実際に使われた音源はソフト版でした。残念。

これは、バージョン違いの吹替が存在する洋画番組では極稀にあるのですが、実際に放送されたバージョンと異なるバージョンのキャストが表記されてしまうという現象です。しかし、テレビ局側としては放送用素材と一緒に添付されていた情報をそのまま掲載して放送しているだけなので、間違えていても特に訂正をすることもありません。別バージョンが放送されてお詫びの記事を掲載するのは吹替を売りにする放送局(ザ・シネマなど)ぐらいです。

では、今回の「ピノキオ」に関して、なぜこのような間違いが起きてしまったのか。今回の件の原因はやはり「放送用素材のクレジット」に誤りがあったことなのですが、これが起きた原因は現行のソフト版の出自にあると思われます。ソフト版は、ディズニーが公式でビデオを出すにあたって、1983年再公開版(ピノキオ:初沢亜利)を使用しようとしたところ、ピノキオたちが不適切な言葉(時代に沿わない表現)を使っていたため、一部キャラクターの声のみ録り直すことにしたバージョンです。これは1995年に発売され(ピノキオ:辻治樹)、以降このバージョンのみがディズニーにとっての公式の吹替となりました。

しかし、ここで狂いが生じてしまったのです。1993年の金曜ロードショーで「ピノキオ」が放送された(らしい)のです。当時まだソフト版は存在していませんから、再公開版の音源が使われました。この時、再公開版の「ピノキオ:初沢亜利」という放送用クレジットが誕生したのです。同時期にWOWOWでも同音源が放送されたという噂もあるのでそれが原因の可能性も…?

そしてもうひとつ。ディズニーのビデオやDVDを見終わると、画面に吹替キャストが表記されるのですが、「ピノキオ」に関してはそのソフト用クレジットが存在しません。つまり、ピノキオ:辻治樹という事実はあるのですが、それを画面において表記する証拠が存在していないのです。そのため、今回のように辻版ピノキオが放送される時は、現存する誤った放送用クレジット(ピノキオ:初沢亜利)が使われることとなったのだと思われます。その例として、NHKに限らず、1999年WOWOWや2013年Dlifeにおいても、この初沢クレジットが誤用されています。

今後、ピノキオがTV放送される際、ピノキオ:初沢亜利とクレジットされることはあると思います。しかし、ディズニーが公式に封印したバージョンである以上、テレビで放送されることはまずないと考えて良いでしょう。


※ここまでは2016年2月25日に本館に掲載した記事を再構成したものです。


以下、追記です。
本館にこの記事を掲載した際、1983年再公開版で子役時代にピノキオの声を担当した初沢亜利さん(現在は写真家として活動されています)からコメントをいただいてしまいました。

その後初沢さんの投稿で、ソフト版の『もう糸はいらない』の動画を指して「これは自分の声です」とコメントしているのを拝見しました。こちらとしてはソフト版収録時にピノキオの声は全て録り直したものだと思っていたので、そりゃもう驚きです。確かにソフト版のピノキオ役の辻さんの声といえば、他に『メリー・ポピンズ』のマイケル・バンクスでしか聞いたことがないので断言する自信はないかな。というかマイケルってどんな声で喋ってたっけ…!今、我々の聞いているピノキオの声は誰なんだ…!正真正銘の初沢ピノキオの声を聴く方法は無いのか…!



あるんです、これが!


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救世主、現る。


1983年頃にディズニー映画の公開に合わせてLPレコードで発売されたサウンドトラックで、おはなし編と題して物語も収録されています。『きつねと猟犬』や『ピーター・パン』も発売されました。これらは映画公開に併せての制作なのでもちろん映画と同キャスト。初沢さんのピノキオを確認することのできる(知る限り)唯一の市販の媒体となっています。金曜ロードショーの録画共々、お持ちの方は情報提供のほどお待ちしております!

ところで余談ですが、DVDのパッケージに入っている紙にキツネの声=山田康夫と漢字が誤記されているのが気になっていたんですが、このLPのクレジットが出自かもしれませんね。



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おめでとう、ピノキオ。

各ナンバリング作品の共通点で楽しむ『トイ・ストーリー』

突然ですが、『トイ・ストーリー』4部作で最もトイ・ストーリーらしい作品ってどれだと思いますか?

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あけましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願いします。

新年一発目は『トイ・ストーリー』シリーズのナンバリング作品の『共通点』に着目してデータベースらしく要素の整理をしていきたいと思います。

※この記事には『アラジン』3部作、『トイ・ストーリー』4部作のネタバレを含みます。


個人的に、三部作のイメージは

  • 1と2はプロットやオマージュで関連が強い
  • 2と3はキャラクター系で関連が強い
  • 1と3はプロットや演出で関連が強い

というものがありまして。


映画において2を作る時ってその時点では1にとっての唯一の続編になるわけですから、1との関連(オマージュとか)に結構気を遣って作ると思うんですね。で、3を作る時は2の続きとして作るので、2から登場した新キャラや要素をファミリーとして吸収した上で作っていくと思います。また、3を完結編として作るため、1を意識したストーリーや演出を入れてシリーズをビシッと締めます。

例えば、『アラジン』三部作では

  • 1と2でジャファーとの対決が完結(プロット)
  • 2と3で仲間になったイアーゴが継続(キャラクター)
  • 1の冒頭に登場した商人が3のラストを締める(演出)

ちなみに『カーズ』は1と3がとても仲良しで、2は浮きまくりというパターンです。1と3がマックィーンの人生の物語であるのに対し、2はメーターのハチャメチャスパイアクションコメディとして異彩を放っています。また、2だけに登場するキャラや2だけに登場しないキャラも比率として多いかと思います。

では、『トイ・ストーリー』4部作だとどうなるのか?1と3、2と4は共通点があるのか?4作のうち仲間外れはいないのか?今日は共通点に着目してお届けしたいと思います。前置きが長くなりましたが、今回も1億3,000万人の誰か一人にでも響くことを祈って!

※三部作とはいっても『美女と野獣』や『リトル・マーメイド』など時系列がバラバラのものに関しては上記のイメージは当てはまりません。

目次

1,2の共通点

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キャラクター

アンディは3で大人になるにあたり、おもちゃを大量リストラしています。3の冒頭にはホームビデオによる回想があるのですが、それにも映りこめなかったミスター・スペルとローリー・ポーリー・クラウンが2で脱落しています。2までで一旦抜けると4でカムバックしてくるのはなかなか難しいようです。

3でギリギリ映り込んだキャラクターも台詞がないので、「1、2のみ喋る」と考えれば共通点と捉えられそうです。

自動車事故

1、2ともにバズ達のせいで自動車同士の追突事故が起こります。本来動かないはずのおもちゃ達が責任を問われることはないので、定番のギャグとして成立しているようです。

エッグマン・ムーバーズ

1でアンディ達の使った引越し業者エッグマン・ムーバーズのオレンジ色のトラックは2でバズが道を渡るシーンに一瞬登場します。3以降の常連になることはありませんでしたが、企業の看板は『ウォーリー』などにも登場しています。

スタッフ

最初の2作は企画の発案者であるジョン・ラセター自ら監督を務めています。

2と3の間には11年のブランクがあり、その間に亡くなったスタッフもいます。スリンキー役のジム・ヴァーニーやストーリー担当のジョー・ランフト(双眼鏡のレニーやペンギンのウィージーの声も担当)は2までの参加となってしまいました。

配給会社が2007年にロゴを一新したため、1と2のみ旧ロゴが使用されていました(現在のBlu-rayなどでは新ロゴに差し替えられています)。また、VHSとレーザーディスクで発売されたのは1と2のみです。ほか、この2作には11月に公開されたという共通点があります。

1,3の共通点

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3の公開当時、3は完結編と位置づけられていたため、1を意識した演出が見られます。

キャラクター

1作目でウッディ達の敵として立ちはだかったシドが同じドクロのシャツを着たゴミ収集人としてカメオ出演しています。声も15年ぶりにエリック・フォン・デットンが登板しています。

ちなみに別個体ではありますが、1でアンディが持っていたルーレットのおもちゃシーン・セイは、3のサニーサイド保育園のケン達が賭博で使用するルーレットとして登場しています。

また、1と3には赤ちゃんのおもちゃが登場しますが、いずれも片目が壊れています。

オープニングが遊びの西部劇

1ではウッディと恐竜(レックス)VSアイパッチ・バート(ミスター・ポテトヘッド)とバリアの犬(スリンキー)の遊びから映画が始まります。

3では更にスケールアップし、新たに加わった仲間も両陣営に追加されています。2でもアンディの遊びのシーンはありますが、3ではオープニングに持ってきたところに1との親和性を感じさせます。

ウッディが燃やされそうになる

常にピンチを迎えてばかりのウッディですが、1と3では燃やされそうになるという共通点があります。1ではシドのマッチ、3ではゴミ処理場です。破壊されそうになるという解釈であれば、バズも同じシーンで被害を受けています。

誕生日のシーンがある

子供がおもちゃを貰う一大イベントといえば誕生日。1ではアンディの誕生日が物語のメインとなり、3ではホームビデオで妹モリーの誕生日シーンが描かれます。

1,4の共通点

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4もまたウッディの物語の完結編として作られたため、1と共通の要素があります(3よりも多い印象?)。ボーがバズに「私の引越しのパートナー!」と言うのは1を踏まえた台詞ですね。

キャラクター

1でシドに爆破されてしまったコンバット・カール。カールは3の後に放送されたテレビスペシャル『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』にて新デザインで登場。声はカール・ウェザースが担当しました。4でもカール・ウェザースによるコンバット・カールが再登場しました。

名前のある動物が敵

1ではシドの犬スカッドに苦戦したウッディとバズ。4ではセカンド・チャンス・アンティークの猫ドラゴンが立ちはだかります。

名前のない鳩も含めれば、トルティーヤ版ポテトヘッドが襲われる3も共通の要素となります。

自動車型のおもちゃに乗る

1ではウッディとバズがRCに乗るクライマックスシーンがありました。4ではボー・ピープの羊が運転するスカンク型のラジコンカーが登場します。よく本物の自動車を移動手段に使うかれらですが、おもちゃサイズの車に乗るのはこの2作品です。

クリスマス

シリーズ通して夏休みや新学期の物語が多いのですが、1のオチではクリスマスのシーンがあります。本編で散々犬に追い回されて苦労したウッディとバズ。そんな時アンディがクリスマスプレゼントに貰ったのはなんと犬だったのでした。

4では回想シーンに登場。リジャーンがデューク・カブーンをもらって失望したのはクリスマスの出来事でした。

バズのヘルメットで挟む

1でウッディに顔面を殴られそうになったバズがヘルメットを閉じ、相手の手を挟むという見事なカウンターを決めています。4ではダッキーからのキックに対し同様にヘルメットを閉じて応戦しています。

バズが景品になる

1でピザ・プラネットのクレーンゲームのプライズになってしまったバズ(とウッディ)。4でもバズが屋台の景品となってしまいます。

ダイナコ石油が登場

1でウッディとバズが争っていたガソリンスタンドのダイナコ石油。4ではボニーが旅行中に立ち寄るガソリンスタンドとして登場します。ダイナコ石油は『カーズ』や上海ディズニーランドにも登場します。

ユカイが新録

ダイアモンド☆ユカイが1以来、23年ぶりにシリーズに復帰し、『君はともだち』『君のため』を担当しました。


2,3の共通点

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キャラクター

3のリストラホームビデオ組の中で、唯一2が初登場だったのはウィージーでした。同一個体かは定かでありませんが、2に登場したザーグは3のエンド・クレジットに一瞬登場しています。

余談ですが、ウィージーとザーグはゲーム版『トイ・ストーリー3』にはしっかり登場しています。

ジェシーが動物を呼ぶ

ジェシーヨーデルで動物の助けを呼ぶシーンがあります。2では劇中劇『ウッディのラウンドアップ』で炭鉱に閉じ込められたジェシーが動物たちに助けを頼むために動物を呼びます。

3ではアンディの遊びの中でレックスをヨーデルで呼びます。1ではウッディに普通に呼び出されていました。

バズが点呼

2ではアンディの家でバズがメンバーの点呼を取ります。3ではリセットボタンによって悪の手先となってしまったバズが捕らえたメンバーの点呼を取ります。

ドクター・ポークチョップ

ハム演じる悪党ドクター・ポークチョップは2で初登場しました。3ではアイパッチ・バート夫妻と協力してウッディを襲撃します。

悪役のおもちゃが貰われていく

2では博物館に行くことを望んだプロスペクターでしたが、空港で芸術家タイプの女の子エイミーに貰われていってしまいます。3では保育園を牛耳っていたロッツォがゴミ処理場の職員に気に入られて持って行かれます。

地上波初がテレ朝

2は2010年、3は2012年に日曜洋画劇場で地上波初放送されました。ちなみに1はテレビ東京のゴールデンタイムに初放送されました。4の地上波初放送にも注目が…集まりますでしょうか。

2,4の共通点

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ウッディが仲間と離れる決断をする

2ではジェシーやブルズアイらと日本に行く決断をし、助けに来たバズ達に別れを告げます。しかし、この後自分の番組から流れる『君はともだち』を聴き、自分はアンディのおもちゃだと悟り、ジェシーらとともにバズと帰ることを決断します。

4では再びウッディがボー・ピープと共に仲間から離れる決断をします。今回はバズの後押しもあり、本当に仲間と別れることになります。

おもちゃを売る店が登場

2では悪役のアルが経営するアルのトイ・バーンというおもちゃ屋が登場します。4では、セカンド・チャンス・アンティークというアンティークショップが登場し、それぞれおもちゃを販売するという共通点があります。2では新品のおもちゃ達が並んでいますが、4のアンティークショップには中古品も含まれており、様々な過去を抱えたおもちゃもいます。その点では3のサニーサイド保育園のおもちゃに通ずるところもあるかもしれません。

本物の車を運転

2ではバズとおもちゃ達が空港へ向かったアルを追いかけるため、本物の自動車(ピザ・プラネットのバン)を運転してしまうトンデモ展開がありました。4ではカーナビに扮してボニーのパパに運転させようとするも、最終的に痺れを切らしてアクセルとブレーキを操縦してしまうことに。

3,4の共通点

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キャラクター

ウッディの2代目持ち主であるボニーと彼女のおもちゃ達がシリーズ初登場しました。彼らは4でも続投しています。

前作でウッディと別れたアンディの一家も回想シーンのおかげでなんとかシリーズ皆勤を果たしています。10代になったアンディは3と4のみの登場です。

BNL社の電池

3でバズがリセットされる場面で、バズの電池が映ります。この電池のロゴはBNLという企業が開発したものです。4では前述のボーの羊が運転していたスカンクのラジコンカーの電池がBNL社のものとなっています。

BNL社は『ウォーリー』に登場した巨大な企業で、『カールじいさんの空飛ぶ家』や『カーズ』にもカメオ出演しています。

配給会社

1と2の共通点が配給会社の旧ロゴであったように、3と4は2007年以降の作品なので新ロゴが共通して使われています。

興行成績10億ドル以上

2020年1月現在、アニメーション映画の興行成績ランキングにおいて、4は第6位(10.73億ドル)、3は第7位(10.67億ドル)を記録しています。1と2の公開当時は今より市場規模も小さく、それぞれ370万ドル、490万ドルという結果でした。

1,2,3の共通点

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キャラクター

1、2の共通点同様、リストラされたおもちゃ達の中でも冒頭のホームビデオによる回想シーンがあるので、辛うじて3までは解禁をキープしているメンバーもいます。ミスター・シャークやロッキー、レニーなどです。グリーン・アーミー・メンのみは本編が始まってから離脱していくので、台詞もきちんとあります、

アンディのママが起点

1はアンディのママがバズを買ってきたところから始まり、ウッディとバズが衝突しながら理解し合っていくバディ・ムービーとなっています。

2はアンディのママが開いたヤード・セールがきっかけで、ウッディがコレクターにさらわれてしまい、仲間達が救出へ向かいます。

3はアンディのママがバズ達をゴミと間違えたことで物語が始まります。作品の主軸は保育園からの脱走が描かれます。

4はフォーキーの誕生と旅行が起点となっています。ただし、ボーとの再会の起点を「アンディのママがボーを友達に譲ったから」と仮定した場合は…?

『君はともだち』がエンディング

1ではエンド・クレジットのデュエット・バージョン、2ではクレジット前のウィージー・バージョン、3ではクレジット中のスペイン語バージョン(歌はジプシー・キングス)がそれぞれ使用されています。バージョンは違えど、この曲で毎回〆られていた本シリーズ。4は初めてエンディング周辺で『君はともだち』が歌われなかった作品となります。4のエンディングで使われなかった意味を考えてみるのもまた面白いかもしれませんね。

自分をスペース・レンジャーだと思い込むバズが登場

1では自分をスペース・レンジャーだと思いこむバズがおもちゃだと自覚するようになります。2では、新品のバズが登場するのでまたスペース・レンジャーだと思いこんでいるバズが登場したことになります。3ではリセットモードによって再び自分がスペース・レンジャーだと思いこむようになってしまいました。4ではその描写が確認されていません。

スタッフ

1と2では編集として参加していたリー・アンクリッチは3では監督としてシリーズを見事にまとめあげました。彼は2019年1月に家族との時間を大切にするため長年勤務したピクサーを退社しており、4には参加していません。

また、ミスター・ポテトヘッド役を長年担当していた俳優のドン・リックルズが3公開後に亡くなってしまったため、4ではライブラリ出演となっています。台詞の新録に参加したのは1~3までとなります。日本語版では永井一郎さん(スリンキー)と大塚周夫さん(ハム)が3までの参加となりました。

1と2でロッキー、3でチャンク役を担当したジャック・エンジェルは4には参加しませんでした。日本語版の1と2でミスタースペル、3でチャンク役を担当した石井隆夫さんも4には出演していません。

ゲーム化

1990年代~2010年頃まではディズニー映画の公開に合わせてTVゲーム化するのが通例でした。ピクサーも例外ではなく、日本でも1のスーパーファミコン用ソフトが発売されました。2は海外のみで発売され、3はDS版のみ日本で公開されました。4の頃にはゲーム化という流れは止まっています。

1,2,4の共通点

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キャラクター

4で本格カムバックを果たしたボー・ピープですが、彼女は3のホームビデオのシーンにはバッチリ写っています。彼女の羊たちは映り込めなかったので、2以来のカムバックとなります。ボーの声の主アニー・ポッツの出演という意味では1、2、4の共通要素と言えるでしょう。

オリジナルの劇中歌がある

トイ・ストーリー』シリーズでは、オープニングとエンディング以外にも劇中歌が流れます。1では『すべてがストレンジ』『幻の旅』、2では『ウッディのラウンドアップ』『ホエン・シー・ラヴド・ミー』、4では『君のため』で、3では流れません。ウッディ達も必死でそれどころじゃありませんでしたからね。

テレビCM

1と4ではおもちゃ、2ではおもちゃ屋のテレビCMのシーンがあります。

1990年代はテレビCMが子供にとっての大事な情報源であったというそんな時代を反映しているように思われます。リジャーンがいつの時代の子供かはわかりませんが。

3ではPR用にロッツォの実写CMが制作されており、特典映像として見ることができます。

お前はおもちゃだ!

シリーズ恒例の「君はおもちゃだ」(You are a toy.)という台詞が3にのみ登場しません。おもちゃの大脱走というテーマがメインであるがゆえ、おもちゃと人間の在り方について悩むんだりそれを諭す場面が無いからかもしれません。

1ではウッディがバズにダイナコ石油で言い放ち、2ではコレクターズ・アイテムとして生きようとするウッディにバズが言い返します。4では自分がゴミだと思うフォーキーにウッディが説得する形で使うフレーズです。

主要キャラの腕が取れる

最初に言っておきます。ポテトヘッドのことではありません!

1ではシドの家の階段から飛んだバズの腕が取れ、2では劣化によってウッディの腕が取れます。4ではテープで止めていたボー・ピープの腕が取れます。彼女いわく、良くあることだそうです。

プレミアがエル・カピタン・シアター

1、2、4ともにプレミアはエル・カピタン・シアターで行われました。3はイタリアのシチリア島で行われるタオルミーナ映画祭が初出となりました。

1,3,4の共通点

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オープニングが「君はともだち」

1、3、4はオープニングテーマとして『君はともだち』が使用されています。2はバズのテレビゲームの世界から始まり、そのまま物語へと入っていきます。2のオープニングで使われなかった意味を(以下略)

ユカイの声が聞こえる

上記と同様、ユカイ版の『君はともだち』が流れます。1と4がそれぞれ新録で、3は流用となっています。

ランディの声が聞こえる(新録)

英語版ではランディ・ニューマンの歌声が1、3、4で聞こえます。こちらはユカイと違い3作品とも新曲をランディ・ニューマン自ら歌っているので、3の『僕らはひとつ』にて新録音源が使われています。

2,3,4の共通点

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キャラクター

2からウッディ達の仲間になったキャラクターは基本的に4まで続投しています。ジェシー、ブルズアイ、ミセス・ポテトヘッドです。

クレジット中にもお楽しみ映像がある

1はスタッフロールが流れるだけでしたが、2~4ではスタッフロール中にもお楽しみ映像が流れます。英語ではミッド・クレジット・シーンと呼ばれるものですが、日本語では何と表現するのでしょうか。

2ではNG集、3と4ではおもちゃ達のその後が描かれています。

過去の主人の回想シーンがある

2ではジェシーが、3ではチャックルズが、4ではデュークがそれぞれかつてのご主人との過去を回想するシーンがあります。

1ではお気に入りの座を奪われるウッディにフォーカスが当たっているのに対し、2以降は子供がおもちゃを手放すという要素が加わり、子供とおもちゃの関係性をより深く描く作品となっていきました。そのため、毎回そういった過去を持つおもちゃが登場することになりました。

おわりに

さて、今回はナンバリング作品の『共通点』に着目するという楽しみ方を提案してみましたがいかがでしたでしょうか。共通点の難しいところは「1と2に当てはまる」を立証するには「3と4には当てはまらない」ということを立証しなくてはならないということ。もしかしたらこの記事内で紹介した要素もまだまだ精査不足で間違えていることもあるかもしれません。正確に調べていくうちに結局「1と2と3と4」すべてに当てはまってしまうった、なんて要素もあるかもしれません。だとしたら、その先にあるものが『トイ・ストーリー』シリーズらしさと言えるのではないでしょうか。(最後はやっぱり適当)

ディズニー日本語吹替史~長編アニメ編~

ディズニーの長編アニメーション作品における各作品の吹替事情をご紹介していきます。基本的な考え方については、「ディズニー日本語吹替概論」も合わせてご参照いただければと思います。

disneydb23.hatenablog.com


目次

白雪姫(1937年)

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白雪姫 王妃 備考
1957年初公開版 富沢志満 北林谷栄
1980年再公開版 小鳩くるみ 里見京子 Blu-ray・DVD・ビデオに収録

以上の2パターンです。

初公開版はビデオ化されていないので、いわゆる「完全絶滅」です(このパターンは今後もしばしば出てきます)。よって、ディズニーの公式ソフトに収録されている吹替はすべて再公開版です。

※非公式に発売されている激安DVDには、公式と無関係の吹替が収録されているので注意!

ピノキオ(1940年)

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ピノキオ ジミニー ゼペット 備考
1958年初公開版 佐々木清和 坊屋三郎 三津田健
1983年再公開版 初沢亜利 肝付兼太 熊倉一雄
旧版 後藤真寿美 江原正士 内田稔 ※旧ビデオに収録
新版 辻治樹 肝付兼太 熊倉一雄 Blu-ray・DVD・新ビデオに収録

初公開版は絶滅済です。

1983年の上映時に吹替が全編新録されました。同時期に東京ディズニーランドがオープンしており、そちらのアトラクションとほぼ同キャストとなっています(ただし、ピノキオは堀江美都子)。

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ピノキオ(旧版)

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こちらもピノキオ(旧版)

ポニー、バンダイから発売された旧版は現在では非公式の吹替であるため封印されています。困難ですが入手すれば視聴は可能です。ちなみにカットありでテレビ放送されたこともあります。

1995年発売の現ソフト版は、再公開版をビデオ化する際に子役(ピノキオとランピー)の声を再録したものです。なお、1993年の金曜ロードショーでは再公開版が放送されました。最近でもBSプレミアムやDlifeの放送時に「ピノキオ:初沢亜利」と表記されることがありますが、実際に使用されているのは現ソフト版です。

※非公式に発売されている激安DVDには、公式と無関係の吹替が収録されているので注意!

ファンタジア(1940年)

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ミッキー 備考
ビデオ版 Walt Disney ※旧DVD・ビデオに収録
Blu-ray 青柳隆志 Blu-ray・新DVDに収録

「ファンタジア」はいわゆる旧吹替版が存在しませんが、旧DVD版とBlu-ray版で内容自体が異なるという珍しい作品でもあります。というのも、「ファンタジア」はアメリカでの再公開の際、7回もマイナーチェンジが行われており、作品として8パターンも存在しているのが原因です。

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ファンタジア(VHS・旧DVD版)

ビデオ・旧DVDには1990年の第7版が収録されています。これは1940年当時の初版をできるだけ再現したものですが、ディームズ・テイラーの解説がナレーション処理にされています。吹替に関してはナレーションのみ(矢島正明)行われており、ミッキーと指揮者の掛け合いは英語のままです。

新DVD・Blu-rayに収録されているのは2000年の第8版です。この版ではナレーションがディームズ・テイラーの解説に戻されており、吹替が新録されています。その際、ミッキーと指揮者の掛け合いも吹き替えられています。

※非公式に発売されている激安DVDには、公式と無関係の吹替が収録されているので注意!

ダンボ(1941年)

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ティモシー 備考
1954年初公開版 坊屋三郎 ※1967年・1974年再映
1978年TBS版 井上順 ※TBS・NHKで放映
1983年再公開版 三田松五郎
ソフト版 牛山茂 Blu-ray・DVD・ビデオに収録

初公開版は3度公開されているものの、未ソフト化なので絶滅しているようで、現状視聴はほぼ不可能です。

1983年再公開版は過去にWOWOWで放送歴があるので、録画さえしていれば視聴は可能です。また、一部ですが「シング・アロング・ソング」に「もしゾウが空を飛べたら」が収録されており、この音源が使用されています。

TV版はかつてTBSやNHKで放送されたもので、こちらも貴重な音源となっています。こちらももちろん録画さえしていれば視聴は可能です。

WOWOWNHKともに、近年放送される際は現行のソフト版が使われています。市販のビデオは(パブリックドメインを除き)すべて現行の新版と同一のものです。

※非公式に発売されている激安DVDには、公式と無関係の吹替が収録されているので注意!

バンビ(1942年)

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バンビ フクロウさん 備考
1957年初公開版 田中明 春風亭柳橋
新版 依田有滋 熊倉一雄 Blu-ray・DVD・ビデオに収録

初公開版は絶滅済ですが、2007年12月4日放送の「開運!なんでも鑑定団」で当時とんすけ役を務めた滝勝彦さんがセル画を持参して出演した際、音源の一部が放送されたようです。

市販のビデオは(パブリックドメインを除き)すべて現行の新版です。

※非公式に発売されている激安DVDには、公式と無関係の吹替が収録されているので注意!

ラテン・アメリカの旅(1942年)

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1957年に日本で劇場公開されていますが、その際の吹替は確認されていません。

2006年のディズニー・チャンネル放映時に現メンバーによる吹替が制作されています。こちらは2019年6月からディズニーデラックスでいつでも視聴可能となりました。(ドナルド:山寺宏一グーフィー:島香裕)

三人の騎士(1944年)

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ドナルド ホセ 備考
旧版 関時男 金尾哲夫 ※旧ビデオに収録
新版 山寺宏一 中尾隆聖 ※DVD・新ビデオに収録

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三人の騎士(旧版)

旧版はバンダイのビデオを入手すれば視聴可能です。

メイク・マイン・ミュージック(1946年)

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メイク・マイン・ミュージック(旧版)
旧版(バンダイ)の吹替が存在しますが、新版の吹替は存在しません。日本で最も視聴困難な作品となっています。

南部の唄(1946年)

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リーマス ウサギどん 備考
旧版 久米明 江原正士 ※旧ビデオに収録
新版 今西正男 龍田直樹 ※新ビデオに収録

長編アニメーションとしては番外編というべき作品ですが一応紹介。

旧版(バンダイ)、新版(ブエナ・ビスタ)ともに入手困難ですが市販のビデオに吹替が収録されています。

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南部の歌(旧版)

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南部の唄(新版)

東京ディズニーランドの「スプラッシュ・マウンテン」では旧版、「Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ」では新版(一部異なる)に準拠したキャストとなっています。

しかし、ディズニーの方針でDVD・Blu-rayは販売されておらず、今後見られる機会もほぼ無いでしょう。

ファン・アンド・ファンシー・フリー(1947年)

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ジミニー ミッキー バーゲン 備考
1981年TBS版 熊倉一雄 太田淑子 羽佐間道夫
旧版 内田稔 後藤真寿美 久米明 ビデオに収録
新版 肝付兼太 青柳隆志 大木民夫 WOWOW

TBSで「こぐま物語」の邦題で放送されました。激レア音源なのですが、2019年11月から約一ヶ月間なぜかディズニーデラックスで配信されていました。現在では新版の音源に差し替えられているので、今後の視聴は不可能でしょう。

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子ぐま物語(旧版)

旧版はバンダイでのビデオがあります。入手困難ですが、購入すれば視聴可能です。

新版はWOWOW用に吹き替えられたものです(のちにディズニー・チャンネルで放送)。ソフト発売はされていませんが、ディズニーデラックスでいつでも見られるようになりました。

メロディ・タイム(1948年)

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メロディー・タイム(旧版)
旧録版のビデオがかつてバンダイから発売されていました。その際は歌のほとんどが英語音声+日本語字幕でした。

2004年にはディズニー・チャンネル版が新録されました。このバージョンは逆に「丘の上の1本の木」以外は全曲日本語で歌われています。期間限定で発売されたDVD10作品セットに収録されており、それが唯一の入手法法でしたが、2019年6月からはディズニーデラックスでいつでも見られるようになりました。

イカボードとトード氏(1949年)

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この作品は前半の「トード氏」、後半の「イカボード」のパートに分かれているのでそれぞれ見ていきましょう。

イカボード」の部分は旧版(ナレーション:江原正士)・新版(ナレーション:水野賢司)ともにビデオ用に製作されました。後にディズニー・チャンネルで「イカボードとトード氏」として全編フル放送する際に、「イカボード」は新版の音源を使用しましたが、「トード氏」には吹替が無かったため、ディズニー・チャンネル用に新たに製作された(トード氏:内田直哉)、ということになります。このディズニー・チャンネルで放送されたフルバージョンは、2019年11月からディズニーデラックスでいつでも見られるようになりました。

なお、それ以前に「トード氏」のある一曲は「シング・アロング・ソング」に収録されていますが、この吹替はこのために作られた特別なものです(声優不明)。

シンデレラ(1950年)

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シンデレラ 継母 備考
1961年初公開版 富沢志満 北林谷栄
1992年再公開版 鈴木より子 寺島信子 Blu-ray・DVD・ビデオに収録

こちらも初公開版はソフト化されていません。絶滅済です。

※非公式に発売されている激安DVDには、公式と無関係の吹替が収録されているので注意!

ふしぎの国のアリス(1951年)

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アリス ハートの女王 備考
1973年初公開版
1979年TBS放映版 キャロライン洋子 ペギー葉山
1987年旧版 土井美加 小沢寿美恵 ※旧ビデオに収録
1990年新版 土井美加 小沢寿美恵 ※旧DVD・新ビデオに収録
2005年最新版 土井美加 小沢寿美恵 Blu-ray・新DVDに収録

1973年公開時には日本語吹替版が制作されました。詳細は不明ですが、ネット上の証言によるとチェシャ猫:山田康雄だったとか…?

1979年TBS放映時にも吹替が新録されました。1987年に一度再放送がされています。

1984年のビデオ発売時に吹替が新録されました。1992年のNHK放送では新版が使用されています。旧版→新版→最新版で一部台詞が新録されているようです(旧→新は未確認)。

※非公式に発売されている激安DVDには、公式と無関係の吹替が収録されているので注意!

ピーター・パン(1953年)

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ピーター・パン フック船長 備考
1983年TBS版 榊原郁恵 大塚周夫
旧版 後藤真寿美 江原正士 ※旧ビデオに収録
再公開版 岩田光央 大塚周夫 ※新ビデオに収録
DVD版 岩田光央 大塚周夫 Blu-ray・DVDに収録

TBS版は未ソフト化です。ちなみに2003年のTBS放映時には新版が使用されています。

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ピーター・パン(旧版)

旧ビデオ版は入手困難ですが、購入すれば視聴可能です。

現行のソフトには再公開版が収録されています。「アリス」同様、新ビデオ→DVDの過程で部族に関する一部表現が差し替えられています。(酋長→チーフ)

※非公式に発売されている激安DVDには、公式と無関係の吹替が収録されているので注意!

わんわん物語(1955年)

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レディ トランプ 備考
1956年初公開版 宝田薫 小林桂樹
1989年再公開版 藤田淑子 中尾隆聖 Blu-ray・DVD・ビデオに収録

初公開版はソフト化されていませんが、音源は残っているようです。ビデオには再公開版の音源が収録されています。

眠れる森の美女(1959年)

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オーロラ姫 マレフィセント 備考
1960年初公開版 高田敏江 北林谷栄 ※旧ビデオに収録
1995年再公開版 すずきまゆみ 沢田敏子 Blu-ray・DVD・新ビデオに収録

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眠れる森の美女(初公開版)

なんと初公開版がビデオになっています。非常に珍しいケースです。万歳。

101匹わんちゃん(1961年)

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ポンゴ クルエラ 備考
1961年初公開版 田の中勇 財部宏子
1982年再公開版 池水通洋 平井道子 ※DVD・ビデオに収録

初公開版は絶滅済。ビデオは再公開版一択です。

王様の剣(1963年)

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ワート マーリン 備考
1963年初公開版 小幡昭子 トニー谷
旧版=新版 土井美加 内田稔 ※DVD・ビデオに収録

初公開版はビデオ化されていませんが、「シング・アロング・ソング」に収録されている楽曲にはこのバージョンが使用されています。

「ダンボ」同様、旧版の音源は現行のソフトに流用されています。

ジャングル・ブック(1967年)

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モーグリ シア・カーン 備考
1968年初公開版 阿部浩 三波誠也
新版 中崎達也 加藤精三 ※DVD・ビデオに収録

ビデオは新版一択です。

おしゃれキャット(1970年)

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おそらくビデオには初公開版の音源が使われていると思われます。(ビデオで一部シーンのみ新録しているため)

ロビン・フッド(1973年)

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おそらく現行ソフト版(ロビン・フッド:大宮悌二、マリアン:新道乃里子)には1975年初公開時の音源が使われていると思われます。

1. 「おしゃれキャット」とメインキャストの重複が見られるため
2. 音質がよろしくない
3. 平井道子が参加

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ロビン・フッド(旧版)

なお、入手困難な旧ビデオ版(ロビン・フッド江原正士、マリアン:土井美加)もあります。

くまのプーさん 完全保存版(1977年)

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プー 備考
旧版 牛山茂 ※旧ビデオに収録
WOWOW 八代駿
新版 八代駿 Blu-ray・DVD・新ビデオに収録

プーさんの初期作品3本を収録したオムニバスで、日本で初めてフルで見ることができた機会は、1980年代の旧ソフト版でした。

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くまのプーさん(旧版)

1990年代前半にWOWOWで放送された際に新録が行われました。

1997年のビデオ化の際に似たようなメンバーで再録が行われています。

ビアンカの大冒険(1977年)

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ビアンカ」も多少変わっています。1981年初公開版(ビアンカ新道乃里子、バーナード:山田康雄)の後、続編の「ゴールデン・イーグルを救え!」(ビアンカ小原乃梨子、バーナード:山田康雄)が制作されました。この後、2作目はビデオで発売されましたが、1作目のビデオはなぜかなかなか発売されませんでした。ようやく2000年にビデオが発売されましたが、それに伴う新録(ビアンカ小原乃梨子、バーナード:安原義人)によって、初公開版は封印されたのです。

ビアンカ バーナード 備考
1作目 新道乃里子 山田康雄
2作目 小原乃梨子 山田康雄 ※ソフト収録
1作目(新録)小原乃梨子 安原義人 ※ソフト収録

オリバー ニューヨーク子猫ものがたり(1988年)

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吹替自体は1パターンしかありませんが、「シング・アロング・ソング」にジェニー(里中茶美)が歌う「いつでも一緒」が収録された際、この曲のみなぜか新録となっていました。

同じビデオに収録されている「ホワイ・シュッド・アイ・ウォーリー」は本編(松崎しげる)の流用だったので、音声の権利関係がクリアでなかったのかもしれません。

リトル・マーメイド(1989年)

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1991年初公開版の後、1997年再公開版の際に、ほぼ同一キャストによって歌のみの新録が行われました。歌詞も曲により変更されています。初公開版はビデオ・サントラともに発売されているため、知名度は高く、人気もあるようです。

アラジン(1992年) / ジャファーの逆襲(1994年)

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アラジン ジーニー 備考
旧版 羽賀研二 山寺宏一 ※旧DVD・ビデオに収録
新版 三木眞一郎 山寺宏一 Blu-ray・新DVDに収録

2008年のスペシャル・エディション再販時に、とある事情でアラジンの声のみ差し替えられました。その際は「日本公開15周年記念!」という名目でした。

美女と野獣(1991年) / ライオン・キング(1994年)

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これら2作品はIMAX用の再公開時に一部のシーンが追加されていますが、ほぼ本編同様のキャストで補完されています。(シンバのみ代役)

アナと雪の女王(2013年)

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アナ エルサ オラフ 備考
劇場公開版 神田沙也加 松たか子 ピエール瀧 ※旧ソフトに収録
新録版 神田沙也加 松たか子 武内駿輔 ※新ソフトに収録

こちらも「アラジン」同様、諸事情によりオラフの声のみ差し替えが行われました。アラジンは2作のみでしたが、こちらは長編のほかにもオラフが喋る全作品で差し替えが行われました。

2019年3月に旧ソフトはすべて出荷停止し、6月にディズニーデラックスにて新録版が初お披露目されました。新録版の初ソフト化は9月発売の『塔の上のラプンツェル』『モアナと伝説の海』とのセットで、単品発売は11月でした。

おわりに

以上、長編アニメにおける吹替のガイドを駆け足でお届けしました。同じ作品でも吹替が違えば思い入れも変わってくるもの。この機会に懐かしの吹替版を思い出してみてはいかがでしょうか?

※この記事は2012年12月26日に『ディズニー データベース』本館に投稿した記事を再構成したものです。

【書籍】『ディズニーアニメーション背景美術集』掲載作品紹介ガイド

今回は新着の書籍をご紹介します。

www.kinokuniya.co.jp


『ディズニーアニメーション背景美術集』が2019年11月28日に発売となりました。91年間のスタジオのアーカイブの中から、アニメーション映画を作る上で最も難しいと言われる背景画とレイアウトを特集した一冊となっています。


本書は、アメリカで発売された『Walt Disney Animation Studios: The Archive Series』シリーズの『Story』(2008年発売)、『Animation』(2009年発売)、『Design』(2010年発売)に続いて2011年に発売された『Layout & Background』の翻訳版となっています。アメリカ版ではミッキーのデビューした1928年から当時公開を控えていた『くまのプーさん』(2011年)までの作品が対象となっていましたが、今回日本で発売されたバージョンでは掲載アート数を300から400に拡大し、対象作品も最新作『アナと雪の女王2』(2019年)にまで拡大しての刊行となります。


ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオCOOのジェニファー・リー(『アナと雪の女王』でスタジオ初の長編アニメ女性監督を担当)の序文と、アニメーション・リサーチ・ライブラリーの謝辞を除けば文章はほとんど無く、背景美術の掲載に特化した一冊となっています。


そして本書では長編映画だけでなく、一部マイナー作品も含まれています。本稿では本書を手に取った人の中で、あまりディズニーに明るくない方へ向けて掲載作品に関して簡単に補足していきたいと思います。今回もいつものごとく、1億3000万人の誰か一人にでも響くことを祈って…!

掲載作品

長編アニメーション映画

以下の作品はウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが制作した長編アニメーション映画です。世界初のカラー長編アニメーション映画『白雪姫』(1937年)から『アナと雪の女王2』(2019年)まで58作品あり、本書にはそのうち48作品が掲載されています。

※1…公式表記は『オリバー ニューヨーク子猫ものがたり』。

『ディズニー データベース』では以下のリンクをご参照ください。


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ちなみに、『ロジャー・ラビット』は実写とアニメーションを合成した長編映画となっておりまして、ディズニーの子会社であるタッチストーン・ピクチャーズという大人向け実写映画レーベルから公開されました。


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ロジャー・ラビットはハリウッドの映画スターという設定で、実際に『ロジャー・ラビット』の公開後に3作品の短編アニメが制作されました。本書に掲載されている『おなかが大変!』はその中の一作品となります。

短編アニメーション映画

ミッキーマウス・シリーズ

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以下の作品はミッキーマウスが主演した短編アニメーション映画です。

  • ミッキーの愛犬(1939年)
  • ミッキーのアナウンサー(1931年)
  • ミッキーのオペラ見物(※2)(1929年)
  • ミッキーの騎士道(1933年)
  • ミッキーの巨人退治(1938年)
  • ミッキーのグランドオペラ(1936年)
  • ミッキーの造船技師(1938年)
  • ミッキーの大演奏会(1935年)
  • ミッキーのドキドキ汽車旅行(1940年)
  • プルートの大暴れ(1934年)
  • プルートの化け猫裁判(1935年)

※2…公式表記は『ミッキーのオペラ見学』。

ドナルドダック・シリーズ

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以下の作品はドナルドダックが主演した短編アニメーション映画です。

  • ドナルドのいたずらばち(1950年)
  • ドナルドの恐怖の一夜(1945年)
  • ドナルドの災難~仕事篇(1959年)
  • ドナルドの博物館見学(1937年)
  • リスのいたずら合戦(1950年)
  • リスの冬支度(1949年)
グーフィー・シリーズ

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以下の作品はグーフィーが主演した短編アニメーション映画です。

※3…公式表記は『グーフィーホームシアター』。

プルート・シリーズ

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以下の作品はプルートが主演した短編アニメーション映画です。

  • アーミー・マスコット(1942年)
  • プルートの仲直り(1944年)
  • プルートの南米旅行(1943年)
  • プルートとモグラ(1950年)
シリー・シンフォニー

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ミッキーマウスのアニメシリーズとともにスタートしたシリーズです。こちらはミッキーが登場せず、音楽とアニメーションの融合に特化したシリーズとなっています。アニメーター達スタッフの教育の場や、新たな表現技法の研究の場として使われ、アカデミー賞も多く受賞しています。

  • 秋(1930年)
  • 海の王ネプチューン(1932年)
  • 黄金の王様(1935年)
  • オオカミは笑う(1936年)
  • 踊るニワトリ(1935年)
  • かしこいメンドリ(1934年)
  • キツネ狩り(1931年)
  • 小ぞうのエルマー(※4)(1936年)
  • 昆虫救助隊(1932年)
  • 童話行進曲(1931年)
  • 春の女神(1934年)
  • 春(1929年)
  • 真夜中のおもちゃ屋(1930年)
  • ミュージック・ランド(※5)(1935年)
  • モスの消防隊(1938年)

※4…公式表記は『子ぞうのエルマー』。
※5…公式表記は『音楽の国』。

しあわせウサギのオズワルド

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オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット


1927年、ミッキーマウスが誕生する一年前にウォルト・ディズニーが制作したウサギのオズワルドを主人公にしたアニメシリーズです。オズワルドは1928年に訳あってディズニーを離れることになりますが、2006年に里帰りを果たし、今ではディズニーのテーマパークにも登場しています。

現在は『オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット』というタイトルで知られていますが、かつては『しあわせウサギのオズワルド』というタイトルが一般的でした。

その他のアニメーション映画

『シリー・シンフォニー』終了後、音楽に特化するというルールに縛られず、劇場で公開されたアニメーション映画です。

  • 青い自動車(1952年)
  • ウェイン&ラニー クリスマスを守れ!(2009年)
  • クマとみつばち(1955年)
  • 小さな家(1952年)
  • ブタはブタ(1954年)
  • ぼうやはカウボーイ(※6)(1956年)
  • ポール・バニヤン巨人伝説(1958年)

※6…公式表記は『坊やはカウボーイ』。

その他のマイナー作品6選

ここからは、本書で扱われている作品の中で最もマイナーな6作品について。

ザ・グーフィー・サクセス・ストーリー

アメリカで毎週放送されていた1時間番組『ディズニーランド』で、1955年12月7日に放送されたエピソード(シーズン2第12回)です。

グーフィーがひょんなことからディズニーにスカウトされ、大スターに登りつめるまでを彼の主演作品を交えて紹介します。彼の知られざる真実が明らかになり、グーフィーファンにも注目度の高い作品です。

一部の国では劇場公開もされたほか、日本では『グーフィー・ムービー ホリデーは最高!!』のDVDの特典映像に『グーフィーがスターになるまで』というタイトルで収録されています。

ディフェンス・アゲインスト・インベイジョン

1943年に米大陸間問題調整局の依頼で制作された作品です。

予防接種をすることで、人体はどのように細菌に対抗することができるかを紹介する教育用のアニメーション映像です。細菌に侵される人体を、攻撃を受ける都市に例えて表現しています。

ハウ・トゥ・リラックス

1957年11月27日、『ディズニーランド』で放送されたエピソード(シーズン4第11回)です。ホスト役のグーフィーが働きすぎの現代人にリラックスするための方法を提案します。この番組の中ではグーフィーの出演作品が紹介されます。

マジック・ハイウェイUSA

1958年5月14日、『ディズニーランド』で放送されたエピソード(シーズン4第26回)です。当時の視点から、アメリカ社会における未来の高速道路や自動車を描き出します。

マース・アンド・ビヨンド

1957年12月4日に放送された『ディズニーランド』のエピソード(シーズン4第12回)です。ウォルト・ディズニーがホストを務め、人類が火星で発見する新たなものについての予測とユーモラスな見解を紹介します。技術アドバイサーとしてウェルナー・フォン・ブラウン博士など本物の科学者も登場します。

アメリカでは2004年に発売されたDVD『Walt Disney Treasures: Tomorrow Land』に収録されていますが、日本では未発売です。

ミュージック・フォー・エブリバディ

『ディズニーランド』の後継番組『Walt Disney's Wonderful World of Color』1966年1月30日放送(シーズン12第16回)のエピソードです。

ホスト役のルードヴィッヒ・フォン・ドレイクが音楽を主題にした映画の映像を用いながら、人々の生活における音楽の重要性を紹介します。『メロディ・タイム』や『メイク・マイン・ミュージック』のほか、初回放映時には『ファンタジア』でボツとなった『月の光』のシーンも使われていたようです(『ファンタジア』のDVDに特典として収録)。

おわりに

ディズニーのアニメ作品の背景画に特化した資料集として、眺めるだけでも楽しめる資料的に価値の高い一作となっていると思います。長編映画から短編映画まで幅広く掲載されており、ほぼ年代順に並んでいるため作品の変遷を時代に合わせて見ることも出来ます。

なお、今回この本に掲載されているマイナー作品を検証した結果、TV番組や教育映像用に制作されたアニメーション部分の背景画であることがわかりました。カリフォルニア州バーバンクにあるディズニーのアニメスタジオではこうした作品の資料もきちんと保管されており、新作を作るスタッフが勉強のために資料を閲覧することがあります。90年以上の長い歴史を温故知新の精神で活かしていく、そんなディズニーの強みを感じられるシリーズと言えるかもしれません。

『アナと雪の女王』アナの誕生日で世界は回る

今年はうるう年ではありません。では、2月29日生まれの人はいつ歳を取るのでしょうか?


日本の法律では、人が歳を取るのは誕生日の0時ではなく、厳密には誕生日前日の24時だそうです。つまり、2019年の場合は2月29日生まれの人と3月1日生まれの人は同じタイミング(2月28日の24時)で歳を重ねるというわけですね。


このようにその年に合わせて柔軟に誕生日を適用させる器用な能力を持つ2月29日生まれ。その一方で、とある王国の王女は自分の誕生日を中心に世界を回しているのだとか。


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というわけで、いよいよ『アナと雪の女王2』が日米同時公開されました!金曜ロードショーでも前作が放送され、世間も大いに盛り上がっていますね。放送中のトレンドもまさに『アナ雪』祭りで、『レリゴー』『オラフ』『エルサ』などのほかに、『ピエール』という作品に登場しない謎のキャラクターの名前も挙がっていました。


なお、『ディズニー データベース』では新作の公開に合わせて『アナ雪』強化月間を実施中です。


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さて、今回は日本ではあまり話題にならなかった『アナ雪』シリーズの時系列に関するお話です。


目次

アナと雪の女王

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まず、シリーズ第1作『アナと雪の女王』で描かれる物語は約14年間。幼き日の姉妹の初登場シーンを穴雪元年としてカウントしていきます。


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穴雪元年:アナ(5歳)、被弾。


エルサは8歳です。両者の年齢はノベライズで明記されることがありますが、映画本編では語られていないのでバージョンによって違いがあるかも?


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穴雪5年:アナ(9歳)、ジャンヌ・ダルクを応援


『雪だるまつくろう』の歌の途中で4年が過ぎ、2番で登場するアナの歌唱シーンです。エルサは12歳。


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穴雪11年:両親が遭難


突然の悲劇。


ところで、毎回テレビで放映される時期になると『アナ雪に一瞬ラプンツェルが出てくるよ!』という小ネタが拡散されるのがお決まりですが、同時に『ターザンは遭難したアレンデール国王夫妻が生んだ、エルサとアナの弟!』というネタも流れてきます。これはターザンとアナ雪の両方を監督したクリス・バックが「僕の頭の中ではターザンはエルサとアナの弟なんだよ」と発言したものがソースなのでディズニーの公式設定としてはグレーです。もちろん信じるのは自由ですが、拡散の際には『ターザンとアナ雪の監督の脳内では、ターザンはエルサとアナの弟らしいよ!』と補足したほうが無難かと思われます。


それから三年後の穴雪14年、戴冠式からの行程は3泊4日となっています。それぞれの日の主なイベントは戴冠式、氷の城完成、アナが氷の城到着、アレンデール城開門となっております。

アナと雪の女王 エルサのサプライズ

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アナと雪の女王』(2013年)の後、後日談となる短編映画『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』(2015年)が公開されました。物語の舞台は『アナ雪』で姉妹がひとつになった後、初めてのアナの誕生日。今までの空白の誕生日を埋めようと、とにかくエルサが張り切ります。ところで、アナの誕生日はいつかご存知ですか?



2014年9月、監督のジェニファー・リーはファンからの問いに「アナは夏至、エルサは冬至だよ~」とコメント。なるほど対になってるわけだ!


じゃあ夏至っていつよとなるわけですが、夏至は基本的には6月21日か22日。定め方がいくつかあり、国によっても時差で微妙に異なります。これを期に夏至に興味を持ったらぜひ夏至を極めてみてください。以上、アナ雪に学ぶ夏至講座でした。完。


感覚としてはアメリカのファンは6月21日、日本のファンは22日に祝っている傾向がある気がしますが、当然人それぞれ個人差もあります。なお、テーマパークでは映画のスクリーンデビュー日を誕生日と扱うことも多いので、映画が公開された11月が誕生日だという説を推す人もいますが、登場人物全員の誕生日が同じになってしまうので今回は不問としましょう。


ちなみに『エルサのサプライズ』では、物語の西暦が明らかになっています。


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左上にMDCCCXL(1840年)との記載が。


『エルサのサプライズ』が1840年6月ということは、『アナと雪の女王』はその前の7月、つまり1839年7月ということのようです。あー、スッキリした!


でも今回はここからが本題なんです。

アナと雪の女王 家族の思い出

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シリーズ第3作となる中編映画『アナと雪の女王 家族の思い出』では、『アナ雪』の後の初めてのクリスマスが描かれます。


『アナ雪』が1839年7月だから、『家族の思い出』は1839年12月になりますね。そういえば、2作目の『エルサのサプライズ』は1840年6月でしたね。そう、実は2作目と3作目は順序が逆だったのです!


…というのが、アメリカのファンの一般的な考察。ネットで検索すればこの説はたくさん出てきます。しかし、彼らは大きな見落としをしているのです。


それは、アナが6月生まれではないということ。


…………えーっと、何を言ってるか意味がわからない方はこちらをご覧ください。


www.youtube.com



これは2作目『エルサのサプライズ』の告知映像で監督コンビがトークしている動画です。その中でクリス・バックが「本作は前作のA Few Months After」と話しています。ここでハッキリさせておきたいことはひとつ。


果たして11ヶ月後のことをA Few Months Afterと表現するのだろうか?


監督コンビの先輩クリスのイメージではアナは8〜9月生まれだったのでしょう。先ほど夏至発言をしていたジェニファーも特に反論していません。もしかしたら舞台裏でクリス大先輩に「アナは9月生まれだ!分かったらさっさとタピオカ買ってこい!!事務所総出で(略)」などと恫喝されている可能性もありますが、ここは単純に設定変更されたと考えるのが自然でしょう。


すると、西暦の起点となる『エルサのサプライズ』が1840年夏、『アナ雪』『家族の思い出』がそれぞれ1840年7月と12月となるようです。しかし、現在『アナと雪の女王』の時代設定を英語のサイトで調べると、ほぼJuly, 1839しか出てきません。監督の主張する1840年説の市民権は限りなく低いです。


この時系列問題、個人的にどちらの説を応援したいとかはないのですがここまで1839年が推されているということは、1839年7月と明確に記された資料(パンフレットや小説など)があるのかもしれませんね。もしよろしければその辺りに詳しい方の情報、お待ちしております!


ちなみに『アナ雪2』は前作の3年後だそうです。

おわりに

『アナ雪』で7月だと分かる台詞は2箇所あります。一つ目は1日目の国民の台詞、二つ目は2日目のオーケンの台詞です。


さらに熱心なファンは、『とびら開けて』のワンシーンに登場する満月に着目し、1839年7月にノルウェーから見えた満月を調べて、劇中の時間は7月26日〜29日だと主張するんだとか。ちなみに1840年説だと満月は7月15日〜18日に変わってしまいます。アナの誕生日によって振り回されるのは年だけでなく日のほうもなんですね。


さて、お分かりいただけたでしょうか。アレンデールはアナの誕生日を基準に回っているということを。


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『Disney+』超初級入門~朝礼のスピーチで話すために~

さて、11月12日にいよいよ『Disney+』がサービスを開始しました。


日本でも話題を集めつつ当日を迎えたわけですが、他の国に比べるとやはり盛り上がりに欠ける部分があったのではないでしょうか。


というわけで、今回はその波に100%乗り遅れた方々に贈る『Disney+』超初級入門となっております。


この記事は「情報収集をせずに気が付いたら『Disney+』が始まっていた」または「Disney+と吉野家の違いがイマイチよくわからない…」といった方を対象としています。サービス開始前からガッチリ調べていたり、VPNと日夜格闘している方は①辺りで混乱する恐れがありますのでご注意ください。


では早速、明日の朝礼のスピーチで使える10のポイントに沿って紹介していくのでお好きなところをマスターしてくださいませ。


目次

①『Disney+』は牛丼屋ではない。

まずは、『Disney+』と吉野家の違いがイマイチよくわからない方々の疑問を解消していきます。

吉野家は牛丼屋のチェーンの名前です。一方、『Disney+』はディズニーの映像コンテンツを提供するサービスとなっています。あまり似ていません。

②『Disney+』は動画配信サービスである。

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あるのは動画。無いのは生姜。

『Disney+』は、ディズニー社の所有する動画コンテンツを月額料金で見放題という動画配信サービスです。

ディズニーの所有する膨大なコンテンツが対象となっており、D23の事前発表記事によると、最初から対応しているのは映画500本とTVエピソード7,500本だそうです。

d23.com

しかし、事前発表のなかった『The Mickey Mouse Club』(ディズニー版『天才てれびくん』的な番組。1955年放送。)がしれっと配信されているなど、発表済のリストがすべて網羅している訳でもないことが判明してきています。思わぬタイトルが隠れているかも…?

このサービスは今年の夏にアナハイムで行われたD23 Expoをはじめ宣伝が大々的に行われ、サービス開始前の予約者数はアメリカ国内だけで100万人を突破しました。その規模はやはり桁違いであったようで、実際にサービスが始まってみると、サーバー障害などのトラブルも起きていたようです。

③『ディズニーデラックス』とは別サービス。

日本では既に『ディズニーデラックス』というサービスが展開されています。

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日本限定サービス『ディズニーデラックス』

こちらは『Disney+』に先駆けて2019年3月からウォルト・ディズニー・ジャパンNTTドコモの協業で展開しているサービスです。

最初は「コンテンツ数が少ない」「端末にダウンロードできない」「エラーが多発する」といった理由で散々使えない子扱いされていました。当時は『アベンジャーズ エンドゲーム』公開直前に無料お試し期間でほぼ全作予習ができるという点でたくさんのマーベル初心者の踏み台とされたサービスです。その後、無料期間中に解約するも、料金が発生して問い合わせる人多数なのもすっかりおなじみの光景に。

ただしサービスの内容が悪いわけではなく、毎週定期的にコンテンツが追加され、日本語の音声か字幕がしっかり搭載されています。未ソフト化のTVシリーズを視聴したい人にはうってつけのサービスとなっています。

さて、『ディズニーデラックス』ではディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズの4ブランドの作品が視聴できるようになっています。『Disney+』ではさらにナショナルジオグラフィックも加わった5ブランドからも選択できます。さらにカテゴリ分けがどうなってるのか全くわかりませんが、先日ディズニーが買収した20世紀フォックスの作品(『サウンド・オブ・ミュージック』や『ホーム・アローン』など)も視聴可能となっています。

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既存4ブランドにナショジオが仲間入り

ちなみに、『Disney+』では『ディズニーデラックス』の新作(有料)でしか出来なかったダウンロードができます。

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こんなにあっさりDLできるとは

④『Disney+』はアメリカから世界規模で展開。

2019年11月12日、アメリカ、カナダ、オランダの3ヶ国でサービスが開始しました。

アメリカでの料金はなんと月額6.99ドルという格安設定。年額66.99ドルというさらにお得な料金設定もあります。他にもディズニー傘下にあるHuluやESPN+とセットで月額12.99ドルというパックも用意されています。

翌週の11月19日にはオーストラリア、ニュージーランドプエルトリコで開始予定。2020年3月31日にはイギリス、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、アイルランドでのサービス開始が予定されています。

⑤専用コンテンツも大量投入予定。

『ディズニーデラックス』でも日本の芸能人を起用したバラエティなどのオリジナル番組が用意されていましたが、『Disney+』ではディズニー直々に専用コンテンツがどんどん投入されていきます。

今回のサービス開始に合わせて配信が始まったローンチタイトルは実に12本。シリーズものは順次エピソードが公開されていくようです。その中の一例は以下の通り。


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『The Mandarorian』
スター・ウォーズシリーズの最新ドラマシリーズ。『ジェダイの帰還』の5年後を舞台に、戦闘民族マンダロリアンの戦いを描く全8話のドラマシリーズです。


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『Lady and the Tramp』
同名のアニメ映画『わんわん物語』の実写化作品。近年はアニメ映画の実写化ブームですが、劇場公開ではなく配信限定コンテンツとしてのお披露目は初。レディ達はCGでなく本物の犬が演じます。


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『Forky Asks a Question』
トイ・ストーリー4』でデビューした知りたがりのフォーキーが仲間たちに質問をしまくります。ローンチタイトルの第1話ではハムに「お金って何?」と訊ねます。


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『The Imagineering Story』
ディズニーのテーマパークで空想の世界を現実の形にするプロ集団「イマジニア」達の活躍に迫るドキュメンタリーシリーズ。当時のイマジニアの証言や貴重な映像が視聴できます。

⑥『Disney+』は日本対応未定。

さて、『Disney+』の規模感もわかったところでようやく本題です。


ここまで言っておいてアレですが、このサービスは日本への上陸予定がありません。


『Disney+』の詳細が判明した2019年4月が、3月の『ディズニーデラックス』開始直後であったこともあり、「ディズニーデラックスのせいでDisney+が上陸しないのではないか」と随分と目の敵にされました。というか、今もある種続いているといえば続いています。

その大きな理由は、マーベルやスター・ウォーズの最新シリーズが『Disney+』限定で配信されてしまうため。特に、今後のマーベル映画はこれらの限定シリーズとリンクすることが公言されているため、配信されないとなれば世界から出遅れてしまうファンもいっぱいいるわけです。これは『アベンジャーズ エンドゲーム』が各国で週間1位を総ナメにしている中、唯一『劇場版名探偵コナン 紺青の拳』を1位にしていた日本へのあてつけとしか思えません。(適当)

しかしローンチから2日ほど経っていることもあり、AndroidiOSともに日本からの登録成功報告もちらほら出ております。また、ディズニーの人気が根強い日本ですから、将来的には対応するだろうという前向きな予想も多いようです。その根拠としてはこんな感じ。

(1)日本向けの公式サイトは一応日本語表記。
一部とはいえ日本語表記のサイトが用意されているのですから、全く視野にないはずはありません。

(2)専用コンテンツの日本語版が既に制作されている。
前述の『The Mandarorian』ですが、なんと日本語吹替版が既に視聴可能となっています。DVDなど別の媒体で発売されるかもしれませんが、だとしたら日本上陸よりも遥かに前のこのタイミングで各国版と同時に収録する必要性もないと言えます。

(3)既存サービスと統合のケースもある
イギリスでは2015年から『DisneyLife』という独自の配信サービスを展開していますが、将来的に『Disney+』との統合を発表しています。日本の『ディズニーデラックス』もインターフェースはよく似ていますから、『Disney+』との統合を視野に入れて開始した可能性は十分に有り得ると言えるでしょう。

ほか、2020年3月のヨーロッパと同時にアジア・パシフィックも上陸する説が出ているので、あわよくばそこに含まれているのではないかと期待する人もいます。

⑦日本語はほぼ未搭載。

『The Mandarorian』は新作ならではのケースで、その他の作品には日本語音声も字幕もまだ搭載されていないと見て良さそうです。(あったら教えてください)

対応言語も作品によってバラバラで、現在どの作品も基本的には英語とスペイン語は搭載されているようです。ものによってはフランス語やポルトガル語なども対応しているといった感じで、飛行機の映画ラインナップを見ているような感じが近いかもしれません。

近日配信予定の『イカボードとトード氏』や『リラクタント・ドラゴン』、先日希少音源が発掘された『ファン・アンド・ファンシー・フリー』などは検証する以前の問題であったようです。

シンプソンズがほぼ全話配信される。

前述のとおり、20世紀フォックスの作品がラインナップされていますが、中でも目玉なのは初日から『ザ・シンプソンズ』の全30シーズンが配信されていること。マイケル・ジャクソンの回など一部対象外の作品もありますが、TV再放送などの他のメディアでも既にカットされることもある回のようで、ファンからしたら納得のいく状況らしいです。

そんなシンプソンズで初日にネットニュースになったのが、4:3のオリジナルサイズで制作された旧エピソードを16:9のレターボックスサイズにトリミングしていること。横長の画面に合わせるために縦横比を無理やり変更しているため、画面の上下部分がカットされ、いくつかのギャグが見切れてしまっているようです。かつてTV再放送の際にも同じ現象が起きてクレームが寄せられ、4:3サイズに戻すことで収まったそうですが、今回はその16:9の素材を流用してしまったのかもしれません。ディズニーは視聴者の声をもとに対応を検討するとコメントしています。



スター・ウォーズアベンジャーズがまた改変される。

スター・ウォーズ』旧三部作の4Kマスターがなんと配信で初解禁です。

中でも話題になったのは『新たなる希望』の例のハン・ソロとグリードの撃ち合いシーンにまた変更が加わったとのこと。これはディズニーのルーカスフィルム買収前にルーカス自ら編集した変更点になるらしく、今回のタイミングが初出になったようです。また、旧三部作のFOXファンファーレが復活したとの報告も出ています。

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『フォースの覚醒』でおなじみファンファーレ問題

アベンジャーズ エンドゲーム』では、『新映像追加版』にも無かったトニー・スターク父娘のシーン(劇場公開時に撮影したがカットになった)が初解禁となっています。

disneydb23.hatenablog.com

先日、こちらの記事で「映画のバージョンが多いのは嬉しいこと。」と書きましたが、スター・ウォーズファンの前でこれを言っては「ノオオオオオ!」と言いながら奈落の底に投げ飛ばされてしまうかもしれないので迂闊な発言は命取りです。というわけで、今回のスター・ウォーズアベンジャーズがそれぞれどのような改変となったか、是非その目で確かめてください。(機会はあるのか?!)

⑩ディズニー作品は既存マスターを使用。

映画の世界には長い歴史があり、その時代の世相を反映した表現が登場することがあります。ディズニーも例外ではなく、『スプラッシュ・マウンテン』の原作として知られる『南部の唄』は当時の白人と黒人の関係が適切に描かれていないとして人種団体から批判を受け、今なお自主規制の対象としてアメリカでは一度もビデオ化されたことがありません。そのため『南部の唄』は今回も配信されていません。

しかし今年の4月、『ダンボ』に登場するカラス達が黒人を揶揄しているシーンであることから『Disney+』では一部カットの対象となると報道されました。これは最近のディズニーらしい対応であり、同時期に公開された実写版『ダンボ』でもカラスにあたるキャラクターは登場しませんでした。

boardwalktimes.net

今回カラスのシーンを短縮してどのような編集になるのか想像も付きませんでしたが、蓋を開けてみると『ダンボ』は見慣れたオリジナル版そのままの配信(※本編終了後に注意書きあり)となりました。『ファンタジア』はBlu-ray同様、トリミング版の収録となります。

なお、『わんわん物語』に登場するシャム猫たちもアジア人のステレオタイプをもとに描かれていることから今回の実写版では対応がなされています。将来的に『ダンボ』のシーンカットが実現するとなれば、『わんわん物語』の彼女たちや『ジャングル・ブック』のキング・ルイも無事では済まされないのかもしれません。

また、最新マスターということで『トイ・ストーリー2』は今年の夏に4Kマスター向けに編集されたバージョンの収録となっています。NG集でプロスペクターがバービー人形たちに「次回作に出してあげるからね」と密会をするシーンです。1999年当時の製作者側の意図としては「映画界だからこんな光景もあるでしょ?」みたいなあるあるジョークの一環だったのかもしれませんが、時代の変遷に合わせて自主規制の対象となったようです。同作の監督がセクハラで退社したことを考えればもはや笑えませんね。

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ちなみに『ディズニーデラックス』でもカット済

ちなみに、ディズニー映画に関して『ディズニーデラックス』では2018年11月公開の『シュガー・ラッシュ:オンライン』まで定額配信対象となっており、『Disney+』では2019年4月公開の『アベンジャーズ エンドゲーム』までが対象となっています。ここも本国ならではのスピード感と言えるでしょう。

おわりに

以上が、『Disney+』事情に完全に出遅れた方々に最初に押さえていただきたい10ポイントでした!日本語音声・字幕についてはほぼ未対応ということで、最新のコンテンツや日本未上陸の映画や番組を英語音声・字幕で楽しみたい方にはメリットがありますが、その他の方々にはおとなしく日本版を待つのが得策かもしれません。

それにまだまだラインナップや仕様に関しては明らかになっていない所も多いので、ここから興味を持った部分を調べるきっかけにしていただけたらなぁと思います。

ただ、このコンテンツ大量消費の時代、早くて安くて美味しいものを楽しめるという点では牛丼屋と通ずるところがあるんじゃないかと思ってみたりなんかしちゃったりして。(最後まで適当)

『ファン・アンド・ファンシー・フリー』完全バージョン解説ガイド

先週の金曜日。

ディズニーデラックスでマイナーな作品『ファン・アンド・ファンシー・フリー』が配信されまして、そちらが38年前にTBSで地上波放映された貴重な吹替版であることが判明しました発覚の経緯は、バージョン特定をされた方が直々にまとめてくださいましたので、そちらをご参照ください。


togetter.com


というわけで、当サイト開設10周年を記念して作ったTwitterアカウントがたまたま功を奏したわけでした。めでたしめでたし。



…で終わってもいいのですがここはちょっと深堀りしたい。

今回の超レア音源の発掘はネット上でごく一部の反響を呼びました。もちろんTBS版の発覚に喜ぶ声もありますが、ミッキーがいつもの声と違うぞと公式に問い合わせた人もいたとかいないとか。中でも一番気になったのは、「昔見たやつと何か違う?」とか「あれ、もしかしてこの映画初見?」といったもの。

実はこういった意見が出るのはごもっともでありまして、この映画のバリエーションというもの、日本人がお目にかからないであろうものも含めて結構パターンがあります。それに伴い日本語吹替版もいくつかに分岐しているのです。

Wikipediaではフル版と単品版のキャストを一つの表にまとめたいらしく、これが誤解のもとになっているのではないかと思いました。というわけで、こういうマイナーな視点こそウチでやらねば、ということで『ファン・アンド・ファンシー・フリー』の関連作品のバージョンをすべて振り返っていきますよ!

それでは1億3000万人の一人にでも、誰かの心に響くことを祈って…!

そもそもどんな映画?

『ファン・アンド・ファンシー・フリー』は1947年に公開された映画で、『ボンゴ』と『ミッキーと豆の木』の2作品を繋げて長編映画にした作品です。

1942年から1949年までの間、戦中戦後のお金的にも期間的にもカッツカツだったこの時代であったため、短編を繋げて長編にするオムニバスという形式の作品が6本作られました。本作はその中のひとつです。

当初は『ボンゴ』も『ミッキーと豆の木』も長編映画として作りたかったのですが、長編映画を作る余裕がなかったため、オムニバスとして制作されました。

この2話に関連性はありませんが、幕間に『ピノキオ』のジミニー・クリケットが案内役として登場します。『世にも奇妙な物語』のタモさんをイメージしていただければと思います。しかし、ジミニーは語り手というわけではなく聞き手という立場で登場します。『ボンゴ』は歌手のダイナ・ショアが、『ミッキーと豆の木』は腹話術師のエドガー・バーゲンが語りを務めます。

吹替版

『ファン・アンド・ファンシー・フリー』をフルで楽しむことができる吹替版は3種類あります。

TBS版 1981年4月3日放送
旧VHS版 1986年6月5日発売
WOWOW 1995年11月3日放送


WOWOW版がおなじみのキャスト陣による吹替であったため、ディズニーデラックスによる公式の配信でもこの版が使われると思われていました。しかし、蓋を開けてみると地上波放映時に独自に作られたTBS版が配信されていたのです。


通常、地上波で洋画を放送する際、吹替の音源は米国の映画会社から取り寄せるそうです。もしTV局で新録を行う際、放送終了後にその音源も映画会社が管理するとのこと。今回も同じ仕組みであれば、ディズニーデラックスで配信する際に音源を取り寄せたところ、日本側ではなく、アメリカ本社側がTBS版を送りつけてきた可能性が考えられます。その理由としては、「日本でDVDが発売されていないため、決定版の吹替がどれかわかっていなかったから」だったのではないでしょうか。本社側からすれば「日本語の音源がいくつか手元にあるけどどれが決定版なのよ?」って感じでTBS版を投げてきて、受け取った日本側も「わかりました。これが米ディズニーさんからお借りした音源なんですね!」って感じで配信したのかもしれません。どちらにせよ真相は藪の中です。


何はともあれ、今回TBS版がひょっこり出てきたことで、地上波放映用の素材もディズニーが丁寧に管理している可能性が出てきました。これは、今では見られないような劇場初公開当時の吹替もすべてしっかり管理されており、そして黒歴史ではなく公式の歴史として捉えられている可能性が期待できるということです。今後も封印された吹替がなにかの拍子に日の目を見るかもしれないという点で非常に意義のある出来事でした。あ、ちなみに一昨日投稿した『ディズニー日本語吹替概論』はこの記事のための前座なのでした。


disneydb23.hatenablog.com



さて、閑話休題。『ファン・アンド・ファンシー・フリー』の吹替版3種はいずれもノーカットです。なので、本作を見たことがあるはずなのに、今回ディズニーデラックスの配信を見て知らないシーンがあったという方は、実は『ファン・アンド・ファンシー・フリー』を見たことがなかったということになります。そういった方々は、恐らく後述の『ボンゴ』単品か『ミッキーと豆の木』単品を見たのだと思われます。

ボンゴ

『ボンゴ』はサーカスから抜け出したクマを主人公としたアニメーションです。

↓あらすじはこちら
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ナレーション
1947年版 ダイナ・ショア
1971年版 ジミニー・クリケット
1992年版 ダイナ・ショア

1971年版

1971年に劇場公開されたバージョンでは、ジミニー・クリケットが案内役とナレーションを兼任しています。初代ジミニー声優のクリフ・エドワーズが最後に担当した作品です。

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『ボンゴ』1971年版を収録

日本ではこちらのVHSに収録されています。(ジミニー・クリケット肝付兼太

歌は謎の女性シンガーが担当していますが、熊が頬ピシャリする歌も肝付さん自ら歌います。

1992年版

アメリカで1992年に発売されたこのバージョンは、1947年版の『ボンゴ』のアニメーション部分のみを収録している、オリジナルに近い編集となっています。ジミニーの案内役のシーンは全カットで、純度100%のボンゴです。

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純度100%の『ボンゴ』を収録

日本では、『とっておきの物語』シリーズの『ピーターとオオカミ』にも併録されています。吹替は『ファン・アンド・ファンシー・フリー』のWOWOW放映時の『ボンゴ』部分の流用となります。(ナレーション/歌:戸田恵子

ミッキーと豆の木

こちらは、ミッキー、ドナルド、グーフィーの3人が『ジャックと豆の木』を演じる作品。『ミッキーのクリスマスキャロル』に登場する巨人のウィリーのデビュー作でもあります。

↓あらすじはこちら
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『ファン・アンド・ファンシー・フリー』(以下、1947年版)では、物語の最後に聞き手のモーティマー(腹話術人形)がウィリーの死を哀しみます。すると話し手のバーゲンさんが「巨人は空想上の生き物だから泣かないで」と励まします。すると、バーゲンさんの家の屋根をウィリーが剥がし、バーゲンさんが失神するというオチで締められます。

『ミッキーと豆の木』の単品バージョンは大きく分けて3種類あります。

ストーリーテラー 聞き手
1947年版 エドガー・バーゲン ルアナ、チャーリー、モーティマー
1955年版 ナレーション -
1963年版 ルードヴィッヒ・フォン・ドレイク ハーマン
1973年版 シャリ・ルイス ラム・チョップ

1955年版

1955年に放送されたTV番組『ディズニーランド』の中で放送されたこのバージョンは、バーゲンさん達の掛け合いをカットし、スターリング・ホロウェイ(プーさんの声でおなじみ)のナレーションで構成されているシンプルなバージョンです。

物語の最後には、番組のホストであるウォルト本人のもとに、巨人のウィリーが現れてウォルトと会話をします。

このバージョンはアメリカで何度も再放送が行われたらしいのですが、ウォルトとウィリーの掛け合いは再放送ではカットされるのが通例のようです。アメリカでは馴染みのあるバージョンなのかもしれません。

日本でも日本テレビ系で1958年10月10日に放送されたんだとか。この番組は吹替版で放送されていたので、吹替版も作られていたと思われます。

1963年版

1963年放送の『Walt Disney's Wonderful World of Color』では、『The Truth About Mother Goose』という回の後半に『ミッキーと豆の木』が流されました。

ホストをルードヴィッヒ・フォン・ドレイク教授が、アシスタントを虫のハーマン・ザ・ブートル・ビートルが担当しました。

1947年版同様、教授がハーマンに物語を聞かせる形式です。最後には聞き手のハーマンがウィリーの死を哀しみます。すると話し手の教授が「巨人は空想上の生き物だから泣かないで」と励まします。すると、教授の家の屋根をウィリーが剥がし、教授が失神するというオチで締められます。どこかで聞いたことのある展開ですね!

このバージョンはタイトルカードとエンド・クレジットを追加し、VHSやDVDとして販売されています。

日本でも『ミッキーと豆の木』としてVHS化されました。ミッキーの声は1990年頃に担当されていた納谷六朗さんです。

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『ミッキーと豆の木』のみを収録したVHS

『とっておきの物語』シリーズの『ミッキーのジャックと豆の木』にも同じバージョンが収録されており、DVD化もされています。

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『おちゃめなドラゴン』も収録したVHS

1973年版

1973年に放送された『The Mouse Factory』では、女性腹話術師のシャリ・ルイスとラム・チョップ(相棒の羊の人形)がホストを務めました。こちらもシャリ・ルイスが語り手、ラムが聞き手と役割分担されています。腹話術師というチョイスが既にバーゲンさんとかぶっています。この設定だけで誰かが失神しそうな予感がしますね。正解です。

このバージョンは日本では放送されていません。

注意点

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このパッケージには吹替未収録


ウォルト・ディズニー・トレジャーズ』の『ミッキーマウス カラー・エピソード Vol.2 限定保存版』の特典映像として『ミッキーと豆の木』が収録されています。これは、1947年版『ファン・アンド・ファンシー・フリー』の後半部分をそのままトリミングして収録したものとなっており、英語音声+日本語字幕のみとなっています。吹替版は未収録なのでご注意ください。

情報提供求む…!

追記1

ディズニー・チャンネルにて、2004年に1時間枠で『ミッキーのクリスマスキャロル』と『ミッキーと豆の木』が放送された際、前者は青柳版、後者は納谷版が放送されました。2018年にも納谷版『豆の木』が放送されたそうなのですが、その間に独自編集の『豆の木』が放送されたという情報をいただきました。

放送内容としては、1963年版を短縮したもので、ハーマンの出番が全てカットされており、ドレイク教授の声も現行VHSの大木民夫さんではなく、沢りつおさんらしき新録だったとのことです。実際に見たという方や、そもそも録画を持ってるぞという方がいらっしゃったら、ぜひ情報提供のほどお願い致します…!


twitter.com

追記2

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Disney Learning Adventure


追加でいただいた情報により、2006年発売のこちらのDVDに、1963年版と思われる動画素材にドレイク教授らのストーリーテリング部分を現行キャストで新録したバージョンが収録されていることがわかりました。


ドレイク教授:沢りつおさん、ハーマン:阪口大助さん、巨人のウィリーを2005年にご逝去された西尾徳さんに代わって田中英樹さん(その後の『ミッキーマウス クラブハウス』でもウィリー役を担当)が演じているようです。


新録部分はストーリーテリングのみで、ミッキー、ドナルド、グーフィー、ウィリー、ハープの物語部分はWOWOW版の流用のようです。


ここまで、2018年にディズニー・チャンネルに納谷版が放送されたというWikipediaの情報を前提に考えていたのですが、実際に放送されたのは青柳版だという証言が数名から出ておりますので追加調査をしたいと思います。2004年に納谷版が放送されたことは確認済みですので、2006年に青柳版の素材が制作されて2018年での放送時にそちらに差し替えたのであれば辻褄は合います。


情報をご提供くださったTORIさん(https://twitter.com/TORI198674)、たけさん(https://twitter.com/take_poron)、ありがとうございました!

追記3

確認を続けましたところ、2018年にディズニー・チャンネルで『ミッキーと豆の木』として放送されたのは納谷版で間違いないようです。ディズニー・チャンネルで流れた青柳版はそれとは別バージョンの可能性がありそうです。

おわりに

『ボンゴ』と『ミッキーと豆の木』と『ファン・アンド・ファンシー・フリー』。出自は同じ作品でも、劇場再公開やTV放映、VHS発売に合わせて様々な形にアレンジされてきたことがわかると思います。これもまた思い入れは人それぞれ。個人的には、一つの作品を様々な味付けで楽しめるありがたい現象だと思うのですが、いかがでしょうか…?

ディズニー日本語吹替概論

ディズニー作品の日本語吹替が始まってから約60年。言い回しの変化やキャラクターの声の統一を図るなど様々な理由で、1つの作品の中でも様々な吹替が制作されてきました。そのため、人によって思い入れのあるバージョンが違ったり、バージョン変更にケチをつける人がいたりで、吹替というのは実に奥深い文化なのだと言えましょう。


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『ダンボ』の音声は英語版では1パターンしかないのに、日本語版は4種類も存在する


しかし、子供の頃に親しんだ作品のDVDを購入し、いざワクワク再生してみると「吹替が違う!なんで変えたんだ、ディズニーの○○!」という暴言が後を絶たないこの世界。お気持ちは分からないでもないですが、事前に情報を仕入れておけばそんな思いを防げるかもしれません。

というわけで、こういった外国作品ならではのディズニーの吹替事情やバージョンの変遷、パターンなどをご紹介していきましょう。ややこしい点もありますが、これさえ押さえておけばディズニーの吹替事情は大体わかっていただけるでしょう。

一部表記は『ディズニー データベース』本館に準拠しておりますので、こちらも併せてよろしくお願いします。

初公開版

日本最初のディズニー吹替は長編アニメーション第4作となる『ダンボ』(1941年:日本では1954年)でした。当時はまだアニメも普及しておらず声優という職業がもほぼ定着していなかったため、俳優が起用されていました。落語家が多く起用されているのもこの時代の特徴です。

おすピーの2人によると「わんわん物語の頃からディズニーのアメリカのスタッフがラジオを聞いて決めてたのよ。永六輔とか馬風とかね」とのこと。この2人が参加したわんわん物語は1956年に日本公開されているので、本国スタッフによるキャスティングは最初の頃から行われていたことが分かります。

なお、これらの作品の多くは1980年以降に新録が行われているため、現在の視聴は不可能(=絶滅)となっています。

以下、初公開版の吹替(=現在DVDに収録されていないバージョン)が存在する初期の作品です。(日本初公開時が英語のみ→再公開時に吹替が初登場した場合も“初公開版”として扱います。)

本国公開 日本公開 備考
ダンボ 1941年 1954年 絶滅
わんわん物語 1955年 1956年 絶滅
バンビ 1942年 1957年 絶滅
白雪姫 1937年 1957年 絶滅
ピノキオ 1940年 1958年 絶滅
眠れる森の美女 1959年 1960年 旧VHSに収録
シンデレラ 1950年 1961年 絶滅
101匹わんちゃん] 1961年 1962年 絶滅
王様の剣 1963年 1964年 ※絶滅
ジャングル・ブック 1967年 1968年 絶滅
おしゃれキャット 1970年 1972年 現ソフトに収録
ふしぎの国のアリス 1951年 1973年 絶滅
ロビン・フッド 1973年 1975年 現ソフトに収録
ビアンカの大冒険 1977年 1981年 絶滅
リトル・マーメイド 1989年 1991年 旧VHSに収録

TV版

テレビで洋画を放送する際、局によって別バージョンの吹替が放送されるケースがあります。現在は米ディズニーが世界中のキャラクターの声のイメージを統一するために厳しく監修しているので、ディズニーアニメで複数バージョンの吹替を制作することはありません。

地上波放映版

しかし、1980年代まではその意識が希薄だっためか、テレビ局によって独自に新たな吹替が制作された非常にレアなパターンが存在しました。まだ規制が緩かった頃、TV用の新録を実現したのはTBS。今では映画放送のイメージが薄いチャンネルですが、吹替ファンの間では『グーニーズ』や屋良版『コマンドー』などで知られるTV局であります。

ディズニーの長編アニメとしては『ピーター・パン』(ピーター・パン:榊原郁恵、フック船長:大塚周夫)、『ダンボ』(ティモシー:井上順)、『ふしぎの国のアリス』(アリス:キャロライン洋子、ハートの女王:ペギー葉山)、『ファン・アンド・ファンシー・フリー』(ジミニー・クリケット熊倉一雄)の4作品が確認されています。

他にも、当時吹替が存在していなかったミッキーたちの短編アニメを新録して放送した、日本テレビの『ミッキーマウスとドナルドダック』(ミッキー:山田栄子、ドナルド:緒方賢一)などがあります。

TVシリーズにはなりますが、テレビ東京での初放送時に独自キャストでの吹替を制作し、後にWOWOW放送時に現行キャストで全話新録し直した番組(『わんぱくダック夢冒険』『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』)も存在します。

WOWOW版、ディズニー・チャンネル版

これまで吹替が制作されなかった作品(または公式が認めた吹替が存在しない作品)をWOWOWやディズニー・チャンネルで放送する際、吹替を新録するケースがあります。これらは公式が関与しているため、ミッキーやプーなど既存のキャラクターが出演する作品であれば現行のキャストが採用されます。(大体の作品は『ディズニー データベース』でも後述の新版として扱っています)

ただし、『くまのプーさん 完全保存版』などWOWOW版が決定版として採用されなかった非常にレアなケースも存在します。

旧版(旧VHS版)

初期のディズニーのビデオを扱っていたポニーキャニオンバンダイによって販売された吹替があります。いわゆるポニー版・バンダイ版(当サイトでは旧版と表記)であり、世間一般に旧吹替といえばこの時期のものを指すことが多いようです。劇団昴の俳優が多く起用されているといった特徴があります。また、短編映画にはオリジナルのナレーションがついていたり、原語に捉われない邦訳などから人気が高いシリーズとなっています。

現在、ディズニー・ジャパン自らがDVDを販売する体制になったため、非公式となったこれらの旧版は絶滅していきますが、『ダンボ』『ふしぎの国のアリス』『王様の剣』などの作品は新版に流用され、現在でもこの吹替が公式に使われています。※当サイトでは旧・新版と表記。

再公開版

すでに吹替が存在する作品でも劇場再公開時に、新たなバージョンが作られることがあります。

現在確認できているのは、1980年版『白雪姫』(白雪姫:小鳩くるみ)、1981年版『101匹わんちゃん』(ポンゴ:池水通洋)、1983年版『ダンボ』(ティモシー:三田松五郎)、1984年版『ピーター・パン』(ピーター・パン:岩田光央)、1989年版『わんわん物語』(レディ:藤田淑子)、1992年版『シンデレラ』(シンデレラ:鈴木より子)、1995年版『眠れる森の美女』(オーロラ姫:すずきまゆみ)の7作品で、『ダンボ』以外は現行のDVDに収録されています。

1997年版『リトル・マーメイド』のように、初公開版の音源の歌のみ同じキャストによる新録で差し替えを行った珍しいバージョンもあります。

新版

1990年代以降、東京ディズニーランドによるディズニーの普及や、ビデオをディズニー・ジャパンが販売するようになったことにより、日本語版声優の統一を図るべく、既に吹替が存在するでも、ビデオ用やCS放送用に吹替が作り直されることになりました。

2019年現在、DVDやブルーレイに収録されているものはほとんどがこのバージョン(または再公開版)であり、当サイトでは新版と表記しています。

備考
バンビ VHS用に新録
三人の騎士 VHS用に新録
ファン・アンド・ファンシー・フリー WOWOW用に新録
メロディ・タイム ディズニー・チャンネル用に新録(DVD収録)
イカボードとトード氏 ディズニー・チャンネル用に新録
ジャングル・ブック VHS用に新録
くまのプーさん 完全保存版 VHS用に新録
ビアンカの大冒険 VHS/DVD用に新録

※実はVHS発売よりも先に劇場公開されている可能性もあります。

ただ、新版の際に全編新録が行われなかった例があります。前述のとおり、旧版の『ダンボ』『ふしぎの国のアリス』『王様の剣』の3本です。

新版(DVD版)

時代の流れにより、ビデオで使われた表現が教育上好ましくないと判断され、DVD発売の際に一部台詞を録り直すケースがありました。『ふしぎの国のアリス』『ピーター・パン』などが有名です。例えば、「いかれてる」が「へんてこ」、「酋長」が「チーフ」に変更といった具合で、あまりに歌の場合は一曲まるごと録り直すような場合もあります。

また、ある演者の不祥事により一部のキャラクターの声優だけがまるごと変更されるという稀有なケースもあります。『アラジン』『アラジン ジャファーの逆襲』『アナと雪の女王』『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』『アナと雪の女王 家族の思い出』『LEGO アナと雪の女王 オーロラの輝き』が挙げられます。

追加録音

ソフト化や再公開の際に、音声の欠落部分および追加シーンの追加録音が施されるケースがある。

備考
おしゃれキャット VHS発売時、1972年初公開時の音源に一部追録&差し替え
ピノキオ VHS発売時、1983年再公開版の音源に一部差し替え
美女と野獣 2002年IMAX公開時、劇場公開版の音源に一部追録
ライオン・キング 2002年IMAX公開時、劇場公開版の音源に一部追録

パブリック・ドメイン

100円ショップなどでディズニーのDVDが発売されていることがありますが、これは著作権が切れた映画に独自に吹替を付けて販売しているものとなります。これを買って「昔の吹替と違う!」と文句をつけるのはご法度なのですが、Amazonのレビューなどでは同じ映画を収録していれば公式だろうと非公式だろうとすべてまとめて表示されてしまうので、買う前にきちんとチェックしましょう。こちらに関しては当サイトでは基本ノータッチとしています。

おわりに

以上が、アニメにおけるディズニー吹替のほぼ全パターンとなります。やや古めの実写映画も含めると機内上映版やオンデマンド配信版などさらに限定的なバージョンも存在します。

これだけ長い歴史があるのですから、同じ『ダンボ』好きでも思い入れのあるバージョンが違うのは当然です。実際、ネットでは「リトル・マーメイドの歌詞は前のほうが良い」みたいな意見をよく見かけます。好きなものを好きと愛でるのは大変良いことですが、好みは人それぞれですのでお気に召さないバージョンを大声で攻撃しないようにしましょう。


それでは、楽しい吹替ライフを!


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※この記事は2012年8月15日に『ディズニー データベース』本館に投稿した記事を再構成したものです。
※TORIさん(https://twitter.com/TORI198674)より、『シンデレラ』現行吹替版の初出がVHSではなく劇場再公開とのご指摘をいただきましたので、修正いたしました。この場を借りて御礼申し上げます。