ディズニー データベース 別館

「ディズニー データベース」(https://w.atwiki.jp/wrtb/)の別館です。日本の誰か一人にでも響けばOKな記事を書いていきます。

第1回『白雪姫』~狩人の年収も恋人も分からない

ディズニー映画『白雪姫』で最も勇敢なキャラクターは誰でしょうか?白雪姫?それとも、おこりんぼ?

一年半ぶりの更新となるアニメ映画のスター紹介ブログ第1回ということでですね、映画界に燦然と輝く長編アニメーションの金字塔『白雪姫』のスターをご紹介したいと思います。

今回スポットを当てるスターはこちらの男性です。

彼こそが、何を隠そう劇中で最も勇敢なキャラクター「狩人」です。お写真からとても真面目そうな雰囲気が伝わってきますね!そんな狩人さん、どんなお仕事をされてるんでしょうか?年収は?家族構成は?彼女はいるの?調べてみました!

王妃から直々に仕事を任されるなんて、かなり信頼されている証拠でしょう。もっとも映画の中には他の従業員は出てこないのですが。

さて、狩人さんのお仕事なのですが、調べてみたところよく分かりませんでした。狩人という仕事柄、獲物を捕らえたりしていたのかもしれませんね!

年収については、調べてみたのですがわかりませんでした。でも王妃様に仕えているのであればかなり多そうですよね!

家族構成や彼女などについては、調べてみたのですが分かりませんでした。狩人さんにも幸せなご縁があるといいですよね!

いかがでしたか?今回は『白雪姫』の狩人について調べてみました。さて、ここまで読んでいただいたみなさんはこんなことをお感じになっているのではないでしょうか?

コイツのこと、何もわかってないじゃねえか、と。

うぅ……うぅ…(泣)

でも仕方ないのです。彼の登場するシーンは映画の中でわずか2分30秒なんですもの。(画面に映っている時間だけでカウントするを約50秒)

映画で彼が命じられたのは、あろうことか王妃の身内殺しでした。自分が世界で一番美しくなるため、障壁となる美少女である白雪姫を殺し、証拠に心臓を持ち帰れと狩人に命じたのです。王妃は狩人に「まず白雪姫を森の奥へと連れていき、そこで花でも摘ませておやり」と言いました。これから殺す相手のお手洗いの心配までするとは何という慈悲深さでしょうか。

狩人は王妃の命令通り白雪姫を城から離れた花畑へ連れて行き、遊ばせていました。そして周りに誰もいないことを確認し、彼女の背後から刃物を突き刺そうとしました。白雪姫は狩人の影にいち早く気付きましたが、足下がすくみ逃げることができません。しかし、狩人は彼女を殺すことはできないと思い直し、彼女に王妃の企みを話し、遠くへ逃げるように指示しました。白雪姫を殺した暁には彼女の心臓を持ち帰れと命じられていた狩人は手ぶらで帰ることはできません。狩人は苦肉の策として豚の心臓を持ち帰ることに決めました。

王妃は彼の仕事ぶりに満足しました。しかし、彼女は真実を答える魔法の鏡を持っていました。狩人がその存在を知っていたかどうかは分かりませんが、彼女は鏡から狩人が持ち帰った心臓が豚のものであることを知ってしまったのです。信頼していた部下に裏切られた彼女の怒りっぷりは想像に難くありません。

その後の狩人がどんな末路を辿ったのかは明かされていません。そもそも白雪姫の物語ですから、狩人のパーソナリティを深く追求するものでもありません。果たして彼は殺しを命じられた時どんな心境だったのでしょうか。

まず、殺しは断れなかったのか。王妃の残虐さや魔法を使うという事実が公然である以上、断ったら自分が消されるという恐怖があったことでしょう。これは難しそうです。

では白雪姫を逃がした後、自分も雲隠れするというのはどうでしょう。狩人の腕があれば自給自足で暮らせないこともないでしょう。行き先さえバレなければ王妃と縁を切って安全に暮らすことができます。

おっと、コイツがいましたね。

計画的にやるのであれば、まずは鏡の間に忍び込んで魔法の鏡を処分してやる必要があります。でも狩人にはその準備をする時間がありませんでした。または白雪姫を刺そうとする直前まで本当にやる気だったのかもしれません。

であれば、豚の心臓を持ち帰った後にその真実がバレないようにやはり魔法の鏡を処分する必要がありました。しかし、王妃はその晩のうちに魔法の鏡で白雪姫の安否確認をしてしまったのです。でも普通、魔法の鏡を持っていたらすぐにしますよね。

さて、この王妃が魔女であることは七人のこびとにすら知られていましたが、魔法の鏡の存在までは言及されていませんでした。もしかすると狩人が魔法の鏡の存在を知らなかったのかもしれません。知らなかったのであれば詰み、知っていたのであれば豚の心臓の真実を知られる前にどうしても鏡を始末する必要があったのです。しかし、そのようなチャンスはどう考えてもありません。心臓を届けたその足で安否確認をされては負けですからね。となると、狩人は魔法の鏡の安否確認を想定していなかったのではないかと考えられます。

魔法の鏡の存在を想定していないのであれば、狩人は逃げ隠れする気も毛頭なく、白雪姫を逃がして王妃を騙し人生を全うする予定だったのでしょう。自分の地位を守りつつ、上司に背いてまでも自分なりの正義を貫く。白雪姫をハッピーエンドに導いた陰の立役者である彼の物語は想像以上に壮大なものだったのかもしれません。



知らんけども。


たとえ命の恩人でも、ついさっきまで殺そうとしていた相手の裾で涙を拭くのはやめていただきたい。ちょっと気持ち悪いね。



最後に真面目な話をひとつ。当初の構想では狩人はもっと残酷なキャラクターである意味ヤベェ奴になる予定だったそうです。しかし、白雪姫がそんなヤバい狩人の魔の手をどのように逃れたのかというシチュエーションを考えるにあたり複雑なドラマが必要になってしまうため、アニメーターの負担軽減のためにも現在の狩人のキャラクターになったようです。彼にとっては良い変化になったのかもしれません。



nEbosukeから送信