ディズニー データベース 別館

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第1回『白雪姫』~魔法の鏡の残酷な側面

『白雪姫』に登場する魔法の鏡。貴方は欲しいですか?

映画に登場する注目アイテムにスポットを当てる本企画。一年半ぶりの別館更新となる今回は第1回ということで映画界に燦然と輝く長編アニメーションの金字塔『白雪姫』より魔法の鏡をご紹介したいと思います。

魔法の鏡は真実を映し伝える忠実な存在であり、本作のヴィラン(悪役)である王妃が所有者となっています。魔法の鏡自体に悪意はありませんが、所有者の王妃に忠実であることや、その不気味さからしばしばヴィランの一味として扱われる媒体もあるようです。そもそもアイテムというよりキャラクターとして捉えるのが一般的のようです。

この魔法の鏡にはとても便利な機能が付いています。便利なものと聞くと欲しくなるのが人間の常ではありますが、とんでもなく残酷な側面も持ち合わせています。それを把握した上で、あなたはこの鏡を欲しいと思うでしょうか。


さて、この魔法の鏡の基本機能ですが、通常の鏡として使用することができます。成人女性が姿見として使えることから、普段使いも問題なしです。


特殊機能1

この魔法の鏡の特殊機能を使うには、まず起動する必要があります。起動の仕方はちょっとコツが要ります。まずは自身が鏡の中に映り込み、大きく手を回してポーズを決めます。そうしたら、以下の呪文を唱えて鏡の中に閉じ込められし男を呼び出しましょう。


鏡の中に閉じ込められた男
宇宙彼方の暗闇から出ておいで
吹きすさぶ風にのって早く
さぁ 顔を見せるのです



呪文に成功すると、こちらのメニュー画面に移行します。

あとは、知りたいことを訊ねるのみ。きっと真実を以て答えてくれることでしょう。

知りたいことというのは今日のネットで調べられることだけではありません。動物の臓器を提示すれば、何の動物の臓器なのか当てることも楽勝です。でも、そんな使い道をする人はいるのだろうか。

こちらのナイトクラブでは、ロビーに魔法の鏡をかけて使用しているそうです。常時起動状態にしておけば、従業員が困った時に相談事をする上で重宝します。課金制にしてお客様に解放することでコストを回収することもできます。

特殊機能2

次は少々荒っぽい使い道ですが、利用者の方が闇の力に精通しているようでしたら、イリュージョンモードを利用することができます。

イリュージョンモードでは、対象となる人物を鏡の中に閉じ込めることができます。閉じ込められた人間は鏡の男のイリュージョンに打ち勝たないと二度と生きて戻ることはできません。こちらは重い罪に問われる可能性があるかもしれないので、使いどころはよく考えて検討しましょう。



★★★★



魔法の鏡の利用者の王妃さんは魔法の鏡の機能を使い、自分より格上の美人がいるという事実を知ってしまい、その憎悪から殺人を計画、挙げ句の果てにはその計画の最中に落雷で命を落とすという非業の死を遂げました。実はその格上というのは、彼女から見てもごく身近な人物でした。王妃が彼女の名を魔法の鏡から告げられた時の驚きの表情からも、王妃が彼女を格下と認識していたことがうかがえます。もし魔法の鏡がなければ、王妃は彼女を妬むことも身を滅ぼすこともなかったのかもしれません。そんな王妃の姿は見た者にこんな予感を与えてくれるのです。この世の中においては知りすぎることも罪である、ということを。

魔法の鏡にはその性質ゆえ残酷な側面があります。魔法の鏡には「真実を答える」という前提があります。魔法の鏡は「世界で一番美しいのは誰?」という問いに対し、「一番は白雪姫。二番は王妃。」と明確に回答しています。これは世界美しさランキングの上位二名を回答しただけでなく、「人の美しさは数値化し比較することができるものである」ということを意味しています。美しさなんて人の感性によって違うのだから人それぞれだと思いきや、その考え方自体が間違っているというのがこの世の真実なのです。人それぞれの美的感覚すらも真実ではないと突きつけてしまうこの機能、なんとも残酷だとは思いませんか。


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