ディズニー データベース 別館

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ドナルドの誕生日の夜に諸説を考える

今日、6/9はドナルドダックさんのお誕生日でした。ドナルドのぬいぐるみやフィギュアをお持ちの方はまだ間に合います。いっぱい祝ってあげましょう!

今回はドナルドの誕生日を筆頭に、おなじみのキャラクターの『諸説』について見ていきましょう。

  • 目次


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ドナルドダックの諸説

ドナルディストのみなさんならご存知かと思いますが、ドナルドの誕生日には諸説あります。「昔ドナルドのビデオ持ってたけど、思ってた誕生日と違う…」という方はこのまま進んでスッキリしてから帰っていただければと思います。「ドナルドの誕生日ぐらい知ってるよ~」という方は①~③をスキップして次からお読みください。

① 6月9日

ディズニーキャラクターの誕生日はスクリーンデビュー日とする傾向があります。例えばミッキーは『蒸気船ウィリー』が公開された11月18日、プルートは『ミッキーの陽気な囚人』が公開された9月5日といった具合です。

短編で少しずつデビューしていったミッキーやドナルドならまだしも、その法則を適用すると長編アニメーションでまとめてドカッとデビューしたキャラクターたちは全員同じ誕生日ということになってしまいます。それに違和感を覚えた人も多かったためか、映画公開日を『誕生日』と表記する人と『スクリーンデビュー日』と表記する人に分かれる傾向もあります。

東京ディズニーリゾートでは短編のキャラクターに関してはスクリーンデビュー日=誕生日といった表記をしますが、長編アニメーション出身のキャラクターについてはそもそも誕生日に言及しないケースが多いです。

13日の金曜日

1944年に公開された長編映画『三人の騎士』では、ドナルドの誕生日が描かれており、13日の金曜日だとされています。

1930年代、優等生キャラとしてのイメージが確立されたミッキーとは対照的に、ドナルドはずる賢さや災難に遭う面白さを前面に出したキャラクターとして描かれるようになりました。その災難を象徴する日付として西洋で不吉とされている13日の金曜日が選ばれたのかもしれません。ちなみに13日の金曜日を不吉とする説には、イエス・キリストが磔にされた日やバベルの塔が崩壊した日といった説があるようですが、どれも俗説に過ぎないんだとか。ドナルドが13という不吉な数字に悩まされるエピソードとしては『ドナルドのラッキーな一日』もおすすめです。

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『ドナルドのラッキーな一日』

この13日に関する説をフォローアップするのが次の説です。

③3月13日

1949年に公開された『ドナルドの誕生日』では3月13日と描写されているため、こちらもドナルドの誕生日の説として知られています。

長編アニメーション映画のキャラクターに個別の誕生日を設定するのはあまりないケースなのですが、近年ではアナとエルサにそれぞれ誕生日が設定されているようです。これはこれで諸説アリアリなので、気になった方はこちらもどうぞ。

disneydb23.hatenablog.com


余談ですが、『ふしぎの国のアリス』のマッドハッターの帽子についている10/6は値札なので誕生日ではありません。


以上がドナルドの誕生日にまつわる説でした。6月9日説が有力かと思いますが、3月13日説も切り捨てたりはしないであげてください。「ドナルドは映画俳優なんだから、彼が映画で演じた役柄の誕生日はノーカンだろ!」とか「だったら、ミッキーもドナルドもわざわざ自分の誕生日にデビューできるように映画会社に交渉してるのか?おかしいだろ!」とドツボにハマります。あるファンはこう言いました。「ファンとして二度も誕生日を祝えるのは幸せなことだ」と。それで良いではありませんか。

グーフィーの諸説

グーフィーの疑問といえば「なんでプルートはペットの犬なのにグーフィーは擬人化の犬なんだ」みたいな話もありますが(『おとぼけスティーブンス一家』でシャイア・ラブーフが言ってました)、ここはやはり家族関係でしょう。

グーフィーの息子には2説ありまして、よく「二人の息子は同一人物か?」や「昔の息子には母親がいたのに、前妻と死別して再婚したのか?」といった感じにネタにされる問題なのですが、私個人としては以下の認識をしております。


グーフィーには1950年代の短編映画にジュニア、1992年のTVアニメ以降にマックスという息子が登場しています。

ジュニアは1950年代に展開された、グーフィーが一般サラリーマン男性ジョージ・ギーフとして登場する短編映画で、『グーフィーのお父さん』(1950年)からジョージの息子として登場しています。このシリーズでは奥さんも登場しており、彼女は普通の人間のビジュアルをしています。ミッキーやドナルドは本人と同じ名前やポジションで短編映画の役柄を演じることが多いため、本人の設定か役柄の設定かを判断するのは水掛け論となりがちですが、グーフィーのサラリーマンシリーズでは「ジョージ・ギーフ」という別人格であることが明示されているので、このような解釈をしています。

一方、1992年に放送開始された『パパはグーフィー』ではグーフィーとよく似た容姿を持つ息子マックスが登場しています。マックスとは二人暮らしで、隣人のピートとペグの夫妻とは学生時代の同級生であったことが明かされます。このシリーズは後に2度長編として後日談が語られています。マックスとはミッキーたちとの共演作品でも親子で登場するこすることもあり、比較的プライベート色の強い(素のキャラクターが描かれる)シリーズ『ハウス・オブ・マウス ミッキーとディズニーのなかまたち』でも親子共演を果たしているため、現在公式に親子というとマックス説が濃厚のようです。(マックスも作品によって彼女がロクサーヌだったりモナだったりするのですがこれはまた別のお話。byバギーラ)

ちなみにジュニア君ですが、『グーフィーの先生はお人好し』ではグーフィー先生を困らせる悪ガキのジョージ役、『グーフィーの二挺拳銃』ではグーフィーの妄想に登場する美女との間に生まれる子供役としても出演しています。グーフィー界の名子役なのかもしれません。(ちなみにピーター・パンや『南部の唄』のジョニー坊やで知られる元祖ディズニー子役ボビー・ドリスコールが声優を担当しています。)

上記のツイートにある通り、グーフィーの家族構成に関する説に諸説あることは変わりありませんし、私の解釈がその他の説を否定する意図のものではありません。公式が否定しない限りは、色々な可能性があったほうが楽しいですものね。

デイジーの諸説

デイジーダックのスクリーンデビュー日はいつでしょうか?ディズニー公式によると、1月9日が定説だそうです。

※公式はデイジーに関しては誕生日ではなく、スクリーンデビュー日という言葉を使うイメージがあります。


デイジーは『ドナルドのメキシカン・ドライブ』という作品で、ドナルドが西部で出会うヒロインとしてデビューします。当時はドンナダックという名前があてられており、三年後に『ドナルドのダンス大好き』にて再登場した際にデイジーという現在の名前と姿に変更されました。デイジーの誕生日は『ドナルドのメキシカン・ドライブ』でドンナとしてデビューした日を起源としています。ドンナとデイジーは同一人物として見なすのが一般的です。

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『ドナルドのメキシカン・ドライブ』

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『ドナルドのダンス大好き』

ここでご紹介する説はデイジーとドンナは別人であるというもの。日本では馴染みが薄いのですが、ドナルドダックは海外ではコミックが大量に展開されています。1951年に発表された作品では、ドナルドとデイジーの前にドンナが現れ、デイジーを嫉妬させる場面が描かれました。2012年にコミックに再登場した際には、ホワイトウォーターという既存のキャラクター(ドナルドの遠い親戚)と交際していました。

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ドンナとデイジーの共演


コミックにおけるドンナの再登場はあまりにマイナーでほとんど語られることはありません。公式が『ドナルドのメキシカン・ドライブ』をスクリーンデビュー日と推していることからも諸説としては弱いとは思いますが(そもそも別人説を推してる人を見たことがない)、別人説も覚えておくとちょっとした話題提供に使えるかもしれません。

怪しい諸説

ここまで様々な諸説をご紹介してきました。諸説を尊重するスタンスを名乗っておきながら恐縮なのですが、モノによっては「うーん、それはちょっと…」と思うものも正直あります。ガセとまでは言いませんが、誤解が事実のように広まってしまうパターンもありますのでいくつかご紹介します。もちろんこれらの誤解が私自身の誤解の可能性もありますので、反論も歓迎です。

プーの本名

くまのプーさん』のプーの本名がサンダースであるというもの。これはプーの家の玄関の表札にミスター・サンダースと書かれていて、原作では「サンダースという表札の下で暮らしている」と「サンダースという名のもと暮らしている」をかけた言葉遊び(under the name)なのですが、ある日本語の絵本がキャラクター紹介文で「ほんとうのなまえはサンダース」と書いてしまったせいでこの説が広まってしまいました。

プーは女の子

ウィニー・ザ・プーの名前の由来は原作者の息子クリストファー・ロビン・ミルンが気に入っていた動物園のクマのウィニペグウィニー)と、湖で見かけた白鳥をプーと呼んだことから名付けられています。このウィニーが雌であったことからプーさんもメスだという説が広まった(らしい)んですが、プーの物語をもともと知っている人からすると違和感がありますよね。

プーのキャラクターとしての人気が一人歩きし、「キャラクターは知ってるけど物語は知らない」といったファンが多く生まれた日本ならではの現象なのではないかなと思っています。

アースラはアリエルの叔母

これもエキセントリックで人気のある説で、ある意味正しいのですが一口に事実というと語弊があります。アニメ版『リトル・マーメイド』の制作中、当初はアースラとトリトンを兄妹として描いていたのですが、物語を突き詰めるうちにその要素が全カットされ、完成の段階で「そういえばこいつら兄妹だったっけ」とスタッフが思い出す程度の設定となりました。結局、アニメ版ではこの設定は破棄されました。しかし、ミュージカル版ではこの設定が正式に採用されています。よって二人の関係性は、

アニメ版→アースラはトリトンの元家来(当初は兄妹の予定だった)
ミュージカル版→兄妹

アニメの続編では、アースラの出来の悪い妹モルガナが登場しています。なので、「トリトンとアースラは兄妹」「アースラはアリエルの叔母」はミュージカル版なら正しく、「トリトンとアースラとモルガナは兄妹」は誤りとなります。

エルサとアナはターザンの兄

アナと雪の女王2』のインタビューにて正式に否定されました。

エルサとアナの両親はラプンツェルの結婚式に向かう途中で遭難した

これも『アナと雪の女王2』の本編で否定されました。

エミリーはアンディのママ

トイ・ストーリー2』のジェシーを捨てた元持ち主の女の子がアンディのママであるという説。この説も人気があり、地上波放送の際には「エミリーってアンディのママなんだよ」と流布する人もおなじみの光景ですが、初期スタッフのひとりであるピート・ドクターによって「ちょっと違うね」と否定されています。「ちょっと」ということはアンディ一族に何かしらの関係がある可能性は残されていますね。

メイベルはイーゴの母親

レミーのおいしいレストラン』でレミーがしばしば潜んでいた家の老婦人メイベルが辛口評論家イーゴの母親であるとする説。これは幼少期のイーゴの家とメイベルの家に同じオブジェクトがあるからという根拠なのですが、監督のブラッド・バード自ら否定しています。締め切りギリギリで、新規オブジェクトを作る時間が無く使い回したからなんだとか。

おわりに

ドナルドの誕生日を筆頭に、様々な諸説をご覧いただきました。今なお生きている諸説にはそれなりのソースがあって成り立っています。近年ではスタッフ自らがTwitterなどで容易に裏話や個人的見解を発信できるようになり、それによって説が信憑性を持ったり否定されたりしやすくなっていると感じます。その分、スタッフや監督の言っていることが100%正しいという保証もないですから、上手に情報を取捨選択できるようになりたいですね。

もしもファン同士で諸説の議論になって収拾が付かなくなることもあるかもしれません。そんな困った時には口笛を吹くのが人間の子のセオリーであり、「※諸説あり」で締めるのが出来るオトナです。