ディズニー データベース 別館

「ディズニー データベース」(https://w.atwiki.jp/wrtb/)の別館です。日本の誰か一人にでも響けばOKな記事を書いていきます。

『ミッキーはどのように世界中に同時に存在しているのか』占い

今回のテーマは「ミッキーがどのように世界中に同時に存在しているか」です。


世界中にディズニーランドがあることからも、ミッキーマウスが世界中にいることはみなさんご存知かと思いますが、あれはミッキーが複数存在しているんでしょうか?答えは否です。では、どうやっていると思いますか?今回はあなたの知識ではなく、あなたが無意識にどのような説を信じているのかを占ってみましょう。


【設問】
次のうち、あなたがミッキーのイメージとして最も誤っていると思うものはどれ?

【選択肢】
①仲間の功績や手柄を横取りしたりしない
②他人に優しく、相手の嫌がることをしない
③ユーモア溢れる愉快なちゃっかり者
④魔法使いのオンリー・ワンの弟子でまとも



選べましたか?では本題へと参りましょう。

  • 目次

ミッキーは複数存在する?

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『ミッキーの芝居見物』(1934年)


まずは短編『ミッキーの芝居見物』をご覧ください。この作品はミッキーと仲間たちが大勢の孤児たちのためにショーを行う作品です。


1934年にモノクロ映画として公開されましたが、1941年にカラーでリメイクされました。モノクロ時代の作品をカラーで着色加工した作品はいくつかありますが、フルリメイクした作品としては非常に珍しい一作です。オリジナル版はクララ・クラックのデビュー作や、ミッキーとドナルドの初共演作品として知られていますが、その際の紹介映像はなぜかカラー版のほうだったりすることも。


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このリメイクはオリジナル版の構図や動き、音楽、台詞などが忠実に再現されており、最大の違いはキャラクターデザインをリメイク当時のものにしたぐらいとなっています。序盤の劇場のシーンの構図は完璧に再現され、劇場の出口が非常口っぽいものから、おしゃれな劇場の出口へと変更されています。劇場のクララベル・カウの衣装にリボンが追加されたり、背景の幕に描かれた花が変更されるなど、デザインの変更が主な違いとなります。


終盤のドナルドの一人芝居がなぜか左右反転しているという謎の変更点もあります。


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カラー化に際して、過去の作品を近代的な形で再映しようとした様子がうかがえます。この2作品を2画面並べて同時に再生すると、面白いくらいにピッタリの動きを見せてくれます。10年前にこの新旧比較を実施した時には無かったのですが、今ではYouTubeに比較動画が挙がっていました。便利なものです。


www.youtube.com



さて、なぜこの作品を取り上げたかと申しますと、この作品にはミッキー増殖の疑惑が浮上しているためです。それはオープニングの入口のシーン。『週刊 ディズニー・ドリーム・ファイル』の第65号では、本作のおまけの欄にて「ミニーマウスがチケット売り場で風船を配るチョイ役でミッキーマウスと一緒に出演している」と記載されていました。

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画面中央にご注目


当サイトの本館では「ミッキーが2人いるのでは?」ということにしてましたが、この本が『ファン待望のオフィシャルデータブック』と銘打って出版しているため、当時もう少し調べてみることにしました。


この作品にミニーがでているかどうかディズニーに関するサイトはどのように捉えているのかを調べてみました。調査は2010年8月23日当時に行いましたが、2020年9月15日現在でも変更はありませんでした。

The Disney Wiki
Wikipediaアメリカ) ×
D23: The Official Disney Fan Club -
Yutao's Disney Animation Archive ×(現在は閉鎖)
Disney "Forever Magic" -
Wikipedia(日本) -


2010年8月の調査結果だと、ミニーの出演作品を紹介しているサイト自体が少ないようでした。結果としてアメリカでウィキアを使用している「The Disney wiki」以外でミニーが出演していると記述している大手サイトは見つかりませんでした。ディズニー・アーカイブス館長(当時)のデイヴ・スミスの直接的な記述も探したものの発見できず。


当サイトが判断基準に用いたのは、1934年オリジナル版当時のミニーのデザインです。


この作品の前後『ミッキーの道路工事』(1934年)、『ミッキーの犬泥棒』(1934年)に登場したミニーはそれぞれデザインが多少異なっていますが、この頃には長いまつ毛が定番となっています。しかし、1934年オリジナル版『ミッキーの芝居見物』のミニーにはまつ毛がありません。

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『ミッキーの道路工事』『ミッキーの犬泥棒』(ともに1934年)

残念ながら、デイヴ・スミスの著したオフィシャル百科事典のミニーの項目には全出演作品リストがありません。2007年8月の版に書かれているのは「73作品に出演」ということだけ。詳しく見てみると、


1928年から1952年までの短編でミニーが確実に出演しているのは66本。
ポスター、写真のみの出演が2本。
アカデミー候補者パレードが1本。
CM用映画(ナビスコ、スタンダード石油)が2本。
戦争用映画が1本。
中編「ミッキーのクリスマスキャロル]]が1本。
長編「ロジャー・ラビット」が1本。
短編「ミッキーのアルバイトは危機一髪」が1本。


よって当サイト調べではミニーが出演したのは75作品。ここから2本を除くとなるとどれになるのか、はたまた「ミッキーの芝居見物」(1934年、1941年版)の2作品は含まれているのか。


1941年のカラーリメイク版を見てみると、一つの回答が用意されています。なんと右側のミッキーらしき人物がなんと青いものを着用していました(パンツかスカートかは不明)。この時点で公式はミニーと解釈していたようです。そうして見ると、なんだかまつ毛も生えてるような気がしないでもない。いや、あるかも…?

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カラー版は青服で差別化


ちなみに本館では「あのネズミをミニーとは断定しない」というスタンスを取っておりますので、「『ミッキーの芝居見物』には実はミニーが出てるんだよ!」といった書き込みを見かけても特に否定するつもりはございません。


ではあのミッキーは2体とも本物であると仮定して、どうやったのでしょう。答えはもちろん合成です。実写の映画において一人二役を撮影する際、固定カメラで同じシーンを2名分撮影し、それを合成する方法が採られています。ミッキーは1934年という恐ろしく早い段階からそうした方法を実現していたのかもしれません。ミッキーが2体同時に登場する作品といえば『ミッキーの王子と少年』(1990年)です。この頃には光学合成技術が発達していたのでしょう。見ててCGかと思うくらい違和感もないですものね。

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『ミッキーの王子と少年』(1990年)


ディズニーでは実写映画においても昔から一人二役の合成技術は行われており、ヘイリー・ミルズの頃からさらに進化を遂げてきました。

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一人二役業界のレジェンド:ヘイリー・ミルズ


技術はさらに進化を遂げ、近代ディズニー実写界における三大美少女もしっかり一人二役を経験しています。

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美少女① リンジー・ローハンちゃん
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美少女② ダヴ・キャメロンちゃん
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美少女③ ジェフ・ブリッジスちゃん

グーフィーの短編アニメシリーズには、エキストラのグーフィーが大量に出演し多彩な役を演じています。おそらくどれもがグーフィーなのでしょうが、グーフィーが時間をかけて全てグーフィーを演じているのか、グーフィーという種族がそれぞれのグーフィーを演じてるのかよくわかりません。もし一人のグーフィーが全て演じて合成しているとしたら、彼の働きぶりには感服せざるを得ません。


www.youtube.com



キャラクターの増殖問題に関しましては、他にもスタッフが新キャラのデザインに飽きてしまった『リロイ・アンド・スティッチ』などがあります。

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626体が集結するシーンに登場するのは約100種類のみ

ミッキーはどうやって瞬間移動していることになってる?

さて、映画の世界では合成という手段で説明がつくこの問題。世界中のディズニーランドでミッキーがグリーティングをしたりショーをしているテーマパークというジャンルにおいてはしばしばネタにされがちです。「東京ディズニーランドエレクトリカルパレードをしてる最中、ディズニーシーにミッキーはいないの?」とか、「東京ディズニーシーでミッキーがショーをしている間、トゥーンタウンでミッキーには会えないの?」といった問答が世界レベルで繰り返されていきます。



世間には「ミッキーが世界中に同時に存在する=ミッキーが複数存在する」と思っている方がいるようですが、それは間違いです。知恵袋で得意気に「ミッキーなんていっぱいいるに決まってるだろ」とおちょくっている人もいるようですが、ミッキーさんがそんな手落ちをするはずがありません。



その回答としてイマジニアが用意した答えは魔法の鍵でした。トゥーンタウンのミッキーの家には世界中の各リゾートへの鍵が置かれており、それぞれのリゾートへ一瞬でワープできるというもの。さて、この他愛もない記事を最初から読んでいる方の中には、この魔法の鍵の説を唱えたくてウズウズしている方もいると思います。しかしミッキーの空間移動の方法がこの鍵だけだというのはどうも腑に落ちないのです。世界中のリゾート間の移動だけだと、アウラニやディズニー・オン・アイスの会場、渋谷のNHKホールへ移動する際に不都合になりますからね。この鍵の設定はイマジニアがミッキーの真実を隠すために考え出したブラフで間違いないでしょう。

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闇の回廊ならぬ光の回廊のような技があるのかもしれません

ミッキーに時間移動はできる?

さてミッキーがこうした空間移動をファンタジックにやってのけるなら、ワープした瞬間に時間の流れすらも操ることができても不思議はありません。みなさん、ここまで私の話に付いてこられているでしょうか?そうです。私は今、『雲の王国』の話をしています。

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東京からアナハイムへ行き、東京を出た5分後に戻ることも可能


時間移動には、時間の流れをずらす以外にもタイムマシンといった手段もあります。ディズニー作品の中には2037年の時点でタイムマシンを完成させた強者や、22世紀から家族で移住してきた人もいます。ただし、あのミッキーさんならこうした能力を未来人のタイムマシンに頼ることなく、自らの力で実現してきた可能性だって有り得ます。さて、時間と空間を同時に操る方法はミッキーにあるのでしょうか…?


ミッキー占いの結果発表

大変長らくお待たせしました。それではあなたの考えるミッキーのイメージから、彼が時間と空間を操っている方法について深層心理でどの説を推しているのか占っていきましょう。




事前アンケートでは一番人気は④のようですね。それでは結果発表です。




①ミッキーが「仲間の功績や手柄を横取りしたりしない」はずがないと思っているあなたが提唱しているのは…

タイム・チェインバーを乗っ取った説


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タイムマシンには時間移動の機能があっても、空間移動の能力を持たないものも多いです。しかし、ディズニーには時間と空間を同時に移動する発明をした人がいます。その名はタイムキーパーです。ディズニーの頂点に立つミッキーが最も手っ取り早く手柄を上げる方法は、格下の者から技術を奪うこと。ミッキーとタイムキーパーでは企業内における格が違いますから、トゥモローランドの一住民からタイムマシンを取り上げるなど赤子の手をひねるようなものでしょう。


ミッキーが『仲間の功績や手柄を横取りしたりしない』人だったらこの説は成り立たないでしょう。


しかし、ミッキーが『仲間の功績や手柄を横取りしたりする』のであれば、タイムキーパーの発明品を用いて世界中のパークに同時に登場することは容易いものです。



②ミッキーが「他人に優しく、相手の嫌がることをしない」はずがないと思っているあなたが提唱しているのは…

22世紀の某ドアを奪った説


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空間移動をしながらも時間の流れを調節するダイヤルを搭載した22世紀のドアを利用している可能性があります。ミッキーがドアを手に入れる方法はいたって簡単です。持ち主はネズミが大の苦手ですから。


ミッキーが『他人に優しく、相手の嫌がることをしない』人だったらこの説は成り立たないでしょう。


しかし、ミッキーが『他人に優しく、相手の嫌がることをする』のであれば、相手の弱点である自らの姿を活かして相手を執拗に脅しつけ、ドアを奪うのは簡単です。



③ミッキーが「ユーモア溢れる愉快なちゃっかり者」ではないと思っているあなたが提唱しているのは…

死ぬ気で魔法を練習した説


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ディズニーには時間と空間の移動を魔法で解決した偉大な魔法使いがいます。ミッキーは『ファンタズミック!』などで魔法を披露してはいますが、その道のプロほどの腕前ではありません。ミッキーが現代のバミューダから中世のイギリスまでひとっ飛びするマーリン御大のような能力を手に入れるには、日夜本を読み魔力に良いものを食べ、ひたすらトレーニングや魔法の練習に勤しむ必要があります。そのためには映画やショーの仕事をセーブしてでも魔法をマスターしなくてはならない…。


ミッキーが『ユーモア溢れる愉快なちゃっかり者』だったらこの説は成り立たないでしょう。


しかし、ミッキーが『ユーモアを捨て真面目さとストイックを極めし者』であれば、己の血と汗の結晶でこの能力をマスターしてからディズニーランドを開園させたことでしょう。



④ミッキーが「魔法使いのオンリー・ワンの弟子でまとも」ではないと思っているあなたが提唱しているのは…

時間と空間を移動する石を借りた説


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マーベルには時間と空間の移動を実現するストーンが登場します。これらのストーンを手に入れるにはスーパーヒーローとお近づきになることが先決です。おすすめは、時間のストーンを管理するドクター・ストレンジの師匠エンシェント・ワンに弟子入りして認められること。時間さえ操れれば、空間のストーンを手に入れることなど時間の問題でしょう。


ミッキーが『魔法使いのオンリー・ワンの弟子でまとも』だったらこの説は成り立たないでしょう。


しかし、ミッキーが『魔術使いのエンシェント・ワンの弟子で、まともじゃない(ストレンジ)』のであれば、二つのストーンで自在に世界中のパークで活躍することができるでしょう。




さて、あなたの深層心理はいかがでしたか?


中には「①~④のどれも正しい!!誤ってるものはない!」と言い張る方もいらっしゃるでしょう。もし、ミッキーが①~④のすべてを満たす場合、第5の選択肢の可能性が浮上します。もしそれが真実である場合、ミッキーは素晴らしい人材であり、これからも私たちが予想だにしないすごい方法で世界中のパークをまたにかけて人々を魅了し続けるのです。



【画像出典】
Disney collection - Mickey & Minnie Mouse - Mickey Mouse - IXXIThe Timekeeper | Disney Wiki | Fandom
Infinity Stones | Disney Wiki | Fandom



※この記事は2010年3月19日の『ミッキーの芝居見物』の新旧比較記事と、2010年8月23日の『ミッキーの芝居見物』のミッキー2体登場疑惑検証記事を再構成し、大幅に加筆したものです。


disneydb23.hatenablog.com


さて、『ディズニー データベース 別館』は2020年9月14日をもちまして開設1周年を迎えました。

今後とも1億3000万人の誰か一人にでも届くような発信をしていきますので、よろしくお願いします!