こんにちは。最初に数行ほど自己紹介から。
私事ではありますが、本日を持ちまして「ディズニーデータベース」(https://w.atwiki.jp/wrtb/)は開設10周年を迎えました。今後の目標は自己満足+ちょっと役に立つレベルを目指していけたらと思います。皆さんがマイナーなディズニー用語を検索した時に検索結果にちょこっと顔を出すことがありますので、その際はよろしくお願いします。(メジャーな単語だと多分出てきません)
さて、雑談はこの辺にして、10周年記念記事として、「シリー・シンフォニー」の概要についてご案内していきたいと思います。
というのも、「シリー・シンフォニー」はちょうど4週間前に、90周年を迎えた節目の年であるからです。また、ちょうど先日ミッキー誕生の歴史を紹介したところなので時期的にもバッチリです。
というわけで、前提知識として以下の記事をチェックしておくのがおすすめです。(宣伝)
さて、アニメと音楽の融合という一大センセーションを巻き起こした『蒸気船ウィリー』。配給のパット・パワーズや音楽のカール・ストーリングの協力でミッキーはデビュー作にして大ヒットを収めました。
さて、『蒸気船ウィリー』の前にサイレントで制作したミッキー映画も存在したことを覚えていらっしゃるかと思いますが、この『プレーン・クレイジー』や『ギャロッピン・ガウチョ』もトーキーに作り直されました。
その後、作られたミッキーの新作はどれももちろんトーキーでした。観客は音楽に合わせて動くいたずらミッキーに喜び、大いに笑いました。
しかし、ミッキーのキャラクターとストーリーを重視したいウォルトと、音楽を重視したい音楽担当のカール・ストーリングの間で意見が割れ始めました。
「では、ミッキーのシリーズと音楽のシリーズを分けよう」
こうして、音楽をメインに据えた新シリーズ『シリー・シンフォニー』が誕生したのです。
『シリー・シンフォニー』では、ミッキーやミニーといった既存のキャラクターに捉われることなく、単発作品としてより自由な発想で作品を手掛けることができました。ウォルトはこちらのシリーズを利用してアニメの新たな技法を実験したり、アニメーターの育成の場として活用しました。(短編映画で技術を培ったり若手を育成する手法は、現在のディズニーやピクサーでも生き続けているやり方です)
『風車小屋のシンフォニー』では、遠近法を表現する設備「マルチプレーン・カメラ」を導入しました。カメラが動くと近くのものは速く、遠くのものはゆっくり動きますよね。マルチプレーン・カメラとはそれを実現した技術であり、アカデミー短編アニメ賞を受賞しています。
また、『春の女神』という作品では人間の女性の姿をしたキャラクターが登場します。これは、3年後に公開される『白雪姫』に向けて、人間の女性を描く訓練の一環だったのです。
さて、そんなシリーズの第1作となる『骸骨の踊り』が公開されたのは、1929年8月。ミッキーで成功を収めてから9ヶ月後のことでした。